グミを噛める力が寿命を左右する?口腔健康と介護リスクの関係
「口の中でグミを細かく噛めるかどうかが、要介護や死亡のリスクに影響する」という研究結果が発表されました😯
島根大学などが行ったこのコホート研究*は、口腔健康が全身の健康にどれほど重要であるかを示す興味深い内容です.
*参考文献📖 Abe T, et al. Lancet Healthy Longev. 2024;5:100636.
高齢者の健康を守るために、口腔機能のケアが注目されています👀✨️
研究の背景:口腔健康の重要性
高齢者の健康維持において「オーラルフレイル(口腔機能の衰え)」が注目されています.
食べ物を噛む力や飲み込む能力が低下すると、栄養不足や体力低下につながり、要介護や早期死亡のリスクが高まることが分かっています.
島根大学の研究チームは、この口腔健康と介護・死亡リスクの関係を具体的に検証しました.
研究内容:どのように調査されたのか
研究は、島根県在住の75歳以上の高齢者を対象に、以下の手順で行われました.
・対象者:2万2,747人(平均年齢78.34歳、男性42.7%)
・評価指標:口腔健康を13項目(咀嚼力、残存歯数、歯周病の状態、嚥下機能、口腔乾燥など)で評価
・咀嚼機能のテスト:グミを15秒間噛んで細かく分割できた数を測定、22個以上に細かくできた場合を「優れた咀嚼力」と判定
・追跡期間:平均42カ月(約3.5年)
・結果:1,407人が死亡、1,942人が要介護認定を受けた
主な研究結果
1. 咀嚼力が死亡リスクに与える影響
咀嚼機能が最も優れている群に比べて、最低群の死亡リスクは87%も高かった(ハザード比:1.87)
2. 咀嚼力が介護リスクに与える影響
咀嚼機能が最低群の場合、要介護リスクは2.25倍に上昇
3. 他の口腔指標との比較
13項目すべてが死亡リスクに関連、ただし咀嚼力が最も強い関連を持っていた
4. 咀嚼力とリスクの寄与割合
咀嚼力低下は、死亡リスクの16.47%、要介護リスクの23.10%に寄与していると推定
考察:なぜ咀嚼力が重要なのか?
研究者らは、以下の理由で咀嚼力が全身の健康に影響すると考えています.
★栄養摂取
咀嚼力が低下すると、硬い食品を避けるため、栄養バランスが崩れる
★社会参加
食事が困難になることで、食事の場への参加が減り、孤独感や心理的ストレスが増加
★全身の筋力低下
噛む力が衰えると、口周りの筋力も低下し、全身の筋力にも影響する
まとめ
この研究は、口腔健康が要介護や死亡リスクに与える大きな影響を示しています.
特に「噛む力」の維持が健康寿命を延ばす鍵となる可能性があります🔑
日々の生活で口腔機能をチェックし、歯科医療を活用して健康を保つことが重要です.
あとがき
「咀嚼力」は意外と見過ごされがちな健康指標ですが、全身の健康に深く関わっています.
日常生活の中で、自分や家族の口腔健康に目を向けるきっかけにしてみてください😊