小さいユニフォーム
小さい子ども用のレプリカユニフォーム。
息子が生まれた時、弟がくれたものだ。
仕事上の関わりで、中村選手のサインをいただいたユニフォームを贈ってくれた。
2歳くらいになった時、そろそろ、と着せてみると、赤ちゃんが大きくなったくらいの子どもでも、なんとなく様になっている。
クスッと笑いが出てしまう、ミニチュア感。
子供のいない弟は、息子に一番小さい号数のアディダスのサッカーボールも用意してくれて、近くの公園で遊んでくれた。
「左で蹴ってるよ。左利きなんじゃないの?」
と初めて気付いてくれたのは、弟だ。
私は、身近に左利きがいないため、当たり前のように右手にフォークやスプーンを持たせ、右手にクレヨンを持たせていた。
幼稚園になると、
「右手用のはさみでは切れないようなので、左利き用をご用意いただけますか?」
と連絡帳に書いてあり、「!」と思った。
息子は、書くことと食事は右手、工作など力のいるものは左手、スポーツはサウスポーになった。
職場にいた方が、熱烈なサッカーファンだった。
男の子が誕生したと聞き、プレゼントは何がいいか?考えた。
そうだ。
もしかしたら、喜んでくださるかしら?
息子はアーセナルの他に、高原選手のいたハンブルガーSVの小さいレプリカユニフォームをもらって着ていた。
あるかなぁ・・・?
ちょうど、香川選手がドルトムントに移籍した時だった。
1着だけ、見つかった。最小のレプリカ。
2歳くらいの子ども用。
高価なものではない。
差し上げたら、それはそれは喜んでくださって、成長してドルトムントの選手になった写真を撮って送ってくださった。
なんとも可愛い、小さなサッカー選手だった。
赤ちゃんへ、というよりは、お父さんへのプレゼント。
お母さんへのプレゼントは聞くけれど、お父さんへのプレゼントもいいな。
子どもの服は、すぐに着られなくなってしまうけれど、
着るまで待つ時間を楽しんでもらえたら嬉しい。
何かしら、浪漫のようなものを感じていただけたら、
いたずら成功!のような気分になれた。
思えば、私がバルセロナに行く前、高校生だった弟が
「他は何もいらないから、バルサのレプリカを買ってきてほしい。」
と頼んだのだった。
マドリードも旅程に入っていたが、レアルは別にいいようだった。
手に入れて帰ると、かなり長い期間、壁にかかっていた。