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古代と現代を貫く守矢家の資料館 「神長官守矢史料館」と、藤森照信さんの3つの小さな茶室 / 長野・茅野市 20/47

こんにちは。
このところ「鹿」でした。夢に出てきたり、不図頭に浮かんだり。
奈良に行きなさいってこと?と、ボーっと考えてたら「御頭祭」の文字がよぎった。
諏訪か!!!神話を辿れってことね。で、「神長官守矢史料館」へ。

神長官守矢史料館


「神長官守矢史料館」は、古代から諏訪大社の神長官だった守矢家の敷地に建てられたもので、武田信玄の古文書など代々伝わる文書を保管・公開しています。

風格ある松をくぐって、のアプローチ。

オオクニヌシの息子であるタケミナカタ(建御名方神)は、「出雲の国譲り」の時にアマテラス側のタケミカヅチ(建御雷神)に破れ、諏訪の地に向かいます。が、そこでも諏訪の守矢神(もりやしん。洩矢神とも)との間で戦いが起こります。

結果、勝利したタケミナカタは大祝(おおほうり)という神職につき、破れた守矢神は神長官として土着の神「ミシャグジ神」の祭祀を司ります。
(記事「出雲王国へ / 島根① 14/47」)

神長官モリヤがおろした神を宿し、生き神として存在するのが大祝という神職。実際は祭祀を司る神長官が実権を握っていたのか。

御柱のようなイチイの木が貫いてる独特の建物が資料館。この地で生まれ育った建築史家である藤森照信さんのデビュー作です。

入館料100円払って入ると、

鹿の頭を75頭、神に捧げる「御頭祭」の復元。

ここでは15頭の鹿の首と、10頭の猪の首が。
諏訪上社で毎年4月15日に開催される「大御立座(おおみたてまし)神事」=「御頭祭」。現在は捧げられる鹿の頭は剥製5頭だという。

縄文文化にはない生贄という儀式。格式ある神社で大切にされている鹿を、そして生き物を捧げるという…とてつもない違和感。

モリヤという音から連想するのは…アブラハムが神に息子のイサクを捧げるよう命じられた場面。今のエルサレム付近にあったと言われる地。
縄文→ユダヤ→秦氏〜とまあ色々と想像は膨らむ。

天明4年(1784年)博物学者・紀行家であった菅江真澄が見聞し、スケッチしたものが再現されたのがここの展示。

ミシャグジ神の鈴「サナギ鈴」

空飛ぶ泥舟


渦巻くものを感じながら「空飛ぶ泥舟」へ。

途中に、ミシャクジ神を祀るお社「みさく神社」があります。ここの一角だけ、何とも言えない香ばしい香りが漂っていました。

小さな祠にも御柱

わーカワイイ!畑の中に突如「空飛ぶ泥舟」!

茶室です。ふわふわゆりかごのようなファンタスティックな小さな建築。

ビューっと飛んで行きたい。

あー「うつろ舟」が浮かんだ。
江戸時代に日本へ漂着した異国人の話を集めた『漂流記集』にこうあります。

「小笠原越中守知行所着舟/常陸国舎ヶ浜と申所へ/図之如くの異舟漂着致候/年頃十八九か二十才/くらいに相見へ少し/青白き顔色にて/眉毛赤黒く髪も同断/歯は至て白く唇紅ニ/手は少しぶとうなれと/つまはつれきれい/風俗至て宜しく/髪乱て長し/図のことくの/箱にいか成大切/の品の由ニ候て/人寄セ不申候/音聲殊の/外かんば/しり/ものいゝ/不方/姿はじん/ぜうニして/器量至て/よろしく/日本ニテも/容顔美/麗といふ/方にて/彼国の/生れとも/いふべきか」「一 鋳物弐枚至て和らかな物/一 喰物菓子とも見へ亦肉ニ□/煉りたる物有之/喰物何といふ/事を不知/一 茶碗様の/もの一ツ/美敷もよふ/有之石とも/見へ/一 火鉢らしき物壱ツ/□明ホリ有鉄とも見/亦ヤキモノ共見/一 船中改候所如斯の文字有之/右之通訴出申候」

流れ着いたのは常陸国(現茨城県)の原舎ヶ浜(はらしゃがはま)。

若く身なりのよい美女が乗っていたが、言葉は通じず、どこの国の人かは不明。白木の箱を大切そうに抱え、人を寄せ付けようとしない。船の中には謎の文字があった

西尾市岩瀬文庫
セラミックのUFOか???

2015年に銀座メゾンエルメス フォーラムで開催された、「Soleil Noir」 ローラン・グラッソ展も。

高過庵(たかすぎあん)


少し歩くと「高過庵」。ツリーハウスみたいだけど、茶室です。

小さい空間って落ち着く。自分だけの秘密基地みたいで。それが地上から離れたところにあるなんてドキドキするよね。

低過庵(ひくすぎあん)


「高過庵」横には「低過庵」が半分埋まっている感じで佇んでいました。

半地下ってのも好き。雪深い州に住んでいた時の家に半地下の部屋があって、妙に落ち着いたあの空間を今でも時々思い出す。

高部公民館


近くにある「高部公民館」もヒノキが貫いていました。

焼き壁が素敵。

小さな3つの茶室。中に入ったわけではないけど…なんだかどこか懐かしく、落ち着く建築物。

超古代の日本から世界へ散らばり、悠久の時を経てまた日本に戻ってきたのかと思わせる多重な文化。
神話はフィクションじゃないね。

続く


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