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紀伊山地の霊場へ / 和歌山③

こんにちは。
役小角(えんのおづぬ)に惹かれやって来た熊野の霊場。まずは、熊野三山のひとつ熊野那智大社へ
(記事「断崖絶壁に建つ国宝に会いに。 三徳山入峰修行 / 鳥取②」)

熊野那智大社

2004年に世界遺産に登録された「熊野古道」。
登録名の「紀伊山地の霊場と参詣道」からも分かるように、修験道の拠点である「吉野・大峯」、熊野信仰の中心地である「熊野三山」、真言密教の根本道場である「高野山」の三霊場及び、それらを結ぶ参詣道から構成されています。

特徴的なのは「文化的景観」。
古来からの自然崇拝に根ざした神道、外来の仏教修験道、そして陰陽道など複数の信仰の聖地を繋げているのが、「熊野古道」というネットワーク!

人が生み出した宗教というものを超え、その先にある根源へと向かう意識が貫く地。
熊野古道は、人々の営みと自然が一体となり形作られ、それが千年以上も存続しているという比類なき場なんですね。

飛鳥時代に役小角によって開かれた修験道は、自らも自然の、宇宙の理の一部とし、あらゆる生命を尊ぶという想いから生まれた信仰。

修験道は実修実験の道といわれています。
自らの身体を持って体験し精神を高め、内なる至高の魂との繋がりを憶い出すこと。自神ですね。

その意識に触れたくて訪れた熊野。石段を登った先で出会ったのが緑の蹄を持つポップな神馬。

境内にある一際大きい樟、樟霊社(しょうれいしゃ)樹齢850年と推定され樹高は27m。

幹が空洞になっているので「胎内くぐり」が出来るのですが、

出口に設置された階段がなんだか痛々しかった。

熊野の神様のお使いとされている八咫烏(やたがらす)は、神武東征の折、熊野から大和まで道案内をしたといわれる烏。太陽の中に住む霊力を持つ鳥。

「大きい」という意味を持つ八咫、高次のエネルギー体が神武を導いたんでしょうね。

三本足は「天・地・人」を現しているのか。

八咫烏=賀茂建角身命。
祭祀を司り、天皇を裏から支える八咫烏陰陽道。最古の秘密結社。
渡来人である賀茂氏。表の伊勢神宮、裏の賀茂神社。表の政治、それを操る裏の祭祀王。表裏一体。神様を辿っていくと…ゾクゾクするね。

那智山 青岸渡寺

もともと那智の滝を中心にした一大修験道場だったが、明治の神仏分離令で熊野那智大社と分離させられた青岸渡寺。

神様の隣に仏様。平安以降、神社の隣に寺院があるのが当たり前だった日本、なのにね…

「西国三十三所観音霊場巡礼」の第一番札所。ここが出発点。

あらっ、どこかでお会いしました?

串本の無量寺の瓦狛犬とご親戚??
(記事「本州最南端の町で奇岩と龍に会い、トルコに馳せる / 串本町・和歌山③」)

逆立ちポーズが愛らしい!

三重塔

戦国時代の1581年に焼失し、1972年に再建された三重塔。一段滝としては日本一といわれる落差133mの名瀑「那智の滝」との対比が美しい。

何か潜んでそう。

飛瀧神社

熊野那智大社の別宮・飛瀧神社。御神体は那智の滝。

熊野那智大社が造営される以前、熊野の神様は元々ここでお祀りされていたそう。

高さ133m、銚子口の幅13m 、瀧壺の深さは10m以上あり、流下する水量は毎秒1t 程もある那智御瀧

日本の瀧ってダイナミックなんだけど繊細で静謐。
ダイナミックといえば、雪解けのヨセミテ滝(落差 739m)を思い出すけど、それはそれはアメリカらしいスケールで迫ってくる滝で。滝もその土地のエネルギー「気」を纏っているのねー。

帰り道、廃墟となった中華風建物が気になった。あの龍の感じ…

ワット・サームプラーンの龍を思い出す。ちゃんと5爪だね。
(記事「龍が巻きつく寺院 ワット・サームプラーン(Wat Samphran)/ バンコク旅行記③」)

飛瀧神社で烏天狗の魔除け鈴をいただく。山に登る時の熊鈴に。

続く。



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