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リュウグウノツカイに会いに、魚の剥製ミュージアム 「海とくらしの史料館」へ / 鳥取③

2022.05.30
こんにちは。
投入堂を後に向かったのは境港。「境港にはいつか行くんだろうなー」とぼんやりと思ったのはウラジオストクの港で。残念ながら、境港〜ウラジオストクの定期便は2020年に廃止されましたが。
(記事「様々なスタイルの建築が混在するウラジオストク②」)

フェリーが廃止されようが、ここは水木しげる氏が育ったところであり、

愛読書。

大好きリュウグウノツカイがいるところ。(記事「龍宮窟へ 静岡 2/47」)

海とくらしの史料館

リュウグウノツカイがいるのは、境港市花町にある、魚のはく製700種4000体を収蔵する「海とくらしの史料館」。
あっ、ツカイさんがみんなと一緒に笑ってる〜カワイイ。

明治時代に建造された酒蔵を改修し、民俗資料館として平成6年にオープン。

”魚のはく製を中心に、水産情報・漁法を紹介している資料館”、という説明だとサラッと流れてしまうのですが…とても深く、濃く、主催者が込めた愛情がめちゃくちゃ感じられる空間なのです。

入り口のサメに挨拶して、

巨大マンボウちゃん、こんにちは。

大きさ日本一のマンボウ


大きさ日本一2.8ⅿのマンボウ。剥製です!

種 政幸氏のはく製の作り方


この資料館の凄いところは、全部剥製というところ。香川県出身の種 政幸氏が長年の研究を経て、独自の方法で作り上げた作品が展示されているんです。

当時、図鑑でしか見ることのできなかった「本当の魚」を子供たちに見せたいという熱い想いが、多数のはく製を産みました。貴重な作品の数々をご覧ください。

海とくらしの資料館

①魚の体を傷つけずに、口とエラから肉・骨を完全に取り出し
②皮1枚の状態にし
③薬品処理をして形を整え、時間をかけてよく乾かします
④もう一度、特殊な薬品処理の後、特別な樹脂を吹き付け乾かす作業を繰り返し
⑤形を整えるためにつめていた砂・木くず・微粒粉剤を取り出し完成

海のデロールだわ。(記事「パリの麗しき標本屋DEYROLLE ( デロール)/ パリの驚異の部屋②〜パリ旅行記⑶」)

パリのDeyrolle。(撮影許可を得ています)

リュウグウノツカイ


うわーん!!!リュウグウノツカイさん!!!会いたかった!!!
龍宮の使いというその語感、銀白色の身体に鮮やかな紅色の長い鰭を持つ神秘的な姿にただただ惹かれる。

最長硬骨魚4.2ⅿのリュウグウノツカイ。

アカマンボウ目リュウグウノツカイ科。深海の中庸(深さ200m〜1000m)に生息していると考えられている深海魚。11mに達した個体が報告されており、今生きている硬骨魚類の中では世界最長の魚です

海とくらしの資料館
2009年11月20日、松江市美保関町福浦付近で捕獲されたそう。どうして浅瀬に上がってきてしまったの…

ありとあらゆる魚が生き生きと泳いでいました。

絶滅危惧種のシノノメサカタザメ。絶滅しないでーずっといてね。
カスザメ。浅い海の砂地に棲むんだって。
甲殻類コーナー
オオウナギカワイイ
デンキウナギカワイイ

デロールで感じたことがここでも。
「デロールの動物たちはその表情から愛情がかけられ、丁寧に扱われていることがうかがえます。職人さんがひとつひとつに新たな命を吹き込んでいました。」

再び命を吹き込むデロールの職人さん。(撮影許可を得ています)

魚たちの表情、ディスプレイの美しさ。
それはきっと種 政幸氏の、魚と子ども達への愛情から醸し出されるもの。

「美しいディスプレイ」って、展示されるものに対する情熱が最終段階まで途切れていないこと。作り手と展示に携わる人(主催者)との間に隙間がないこと。

剥製職人さんによって、生物の表情って違うのよね。楽しそうだったり、おすまししていたり、ちょっと悲しげだったり。

魚の顔のいろいろ

手前のボタンを押すと魚の顔が飛び出すしかけ。こういった子ども向けのものって大抵はフェイクなんだけど…本物が飛び出してくるのよ。徹底的に素敵。

みんな出番を待ってる〜
リアルだわ

子どもにこそ本物を見せる。とっても大切。

斜めに飛び出ちゃってるよーどこ行きたいの??

ラブカ

うわーラブカもいた!

およそ4億年前から姿を変えていないという最古の魚類ラブカ。三叉になったギザギザの歯が印象的。卵胎生のため稚魚で生まれてくるそうです。

漁法説明コーナー


興味深かったのが「漁法説明コーナー」。

手作り感満載のミニチュア模型で説明してるの。なんかねー漁法愛がバシバシ伝わってきたわー作ってる人の姿が浮かぶ。

とっても分かりやすい。

メタルフィッシュ

スズ鋳物によるリアルなフィッシュクラフト。「メタルフィッシュ工房」森下さんの作品。

魚の絵画展示室


ハリセンボン通りをくぐって、2階の展示室へ。

おー剥製の魚達が絵画のように展示されていました。

素晴らしかったのは、生物と額の色合いの美しさ。額装した人スゴイセンス。

沖縄・小笠原の岩礁に生息するニシキエビ
沖縄でよく釣れるというウチワフグ。顔が人、だった…。臙脂 xゴールド x チャコールグレーのマットにフグ。綺麗。そしてめちゃくちゃシュール。

帰っておっとっと並べてみた。

リュウグウノツカイに狂喜乱舞して買ってしまったおっとっと。

種 政幸氏が再び命を吹き込んだ魚たちに会いに是非。
海とくらしの史料館


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