「子供は言葉の魔術師」―詩―
「パパ ここ ノンノ」
娘が 初めて 言った
まとまった 言葉だった
おばあちゃんは
「言葉が しっかりと 言えたわ!」と
涙目に なった
それからは 言葉の 魔術師のように
沢山の 言葉を 紡ぎだした
「お空 触りたいよぅ。
お月様 取ってよぅ。
風さん この籠に 入れてよぅ。
お空を トンボと 飛びたいよぅ」
よく パパと 影踏みして 遊んだ
娘の影は 小さく 素早く動くので
いつも パパの影ばかり 踏まれた
「パパの影 踏んだ!!」と得意げな
声が あぜ道に 広がった
一緒に 買い物に行くと
大好きな ブドウやいちごを
黙って 手にとって
上目づかいで 訴える
「欲しいなぁ言葉」の 無音秋波だった
時が 移りすぎ
買い物に でかけても
手を 自分から つないできた
あの 熱い小さな指は
遠くに 飛び去ってしまった
不思議いっぱいな 魔法言葉は
おもちゃ箱で 眠りについている
言葉の魔術を また 聞きたいと
心の耳を 澄ましているが
聞こえるのは 子犬の
「早く ご飯頂戴よ」の
甘えた 催促の鳴き声 ばかりだ
(2022年作品のリライトです)
#詩 #言葉 #娘 #ポエム #魔法 #自由詩 #影踏み #おばあちゃん
#子供 #note初心者 #家族の物語 #立山 剣#子どもの成長記録
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートはクリエーターとしての活動費、制作費に使わせていただきます