「9月のしあわせ」詩―クロサキナオさんの企画参加
クロサキナオさんの企画「9月!」に参加させて
いただきます。クロサキさん どうぞよろしく
お願いいたします
「9月のしあわせ」-詩―
追憶
九月の 夜空では
王女の星 アンドロメダが
天頂 高くから
地上を 眺めてる
秋の女神は 平安の都から
わざわざ 摘んできた
薄紫のシオンの 花を抱え
去って行く人の 影追って
月の原を さまよう
つましい楽しみ
街の 小さな家の
ふるいドアと
花をかざった出窓は
ぼんやり 入日色にそまり
おかあさんの 栗を 剥く手に
ご飯の湯気が 絡みつく
今晩のご飯は 栗ご飯
家族そろって ブドウ狩り
小さな手が 大きな ハサミを
握って 歓声をあげる
手の届かない棚は お父さんに
抱っこされて 枝をきる
「こんなに 大きいの 採れたよぉ」
笑顔は ブドウの粒より まぶしく光る
一粒たべれば 口の中には
おいしい秋が 広がる
秋の生き物
九月の森は 旅鳥たちの
マンションになる
モズは 薄茶とグレーの
ツートンカラー・スーツに身みを包み
目元の 黒いクマで 睨みをきかし
鋭い 高鳴き声で
森の空気を震わせる
森のハンターの 到来だ
庭の片隅で 鳴くカンタンは
はかない声と 体を震わせて
昔言葉で 愛を 唄う
この調べは 庭の花たちを
色づかせる
しかし この恋は いつも
片思いで 過ぎ去っていく
十五夜のそぞろ歩き
十五夜月は 路地裏で
ひっそりと 暮らしている
家を 一つ一つ 訪れる
枕を濡らしている 人たちには
幸せを入れた 銀のかごを
枕元に 置いていく
カステラ色の やさしい
微笑みは 秋の女神の翼を
銀色に光らせる
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