*鯉のエサやり♡
今年一番寒くなると、天気予報はいっていた。
その日の夕方、手袋もせずマフラーもせず
なぜか足元だけは、暖かくしようとUGGのブーツを履いて、PM16時23分、近くの公園で鯉のエサやりをしていた。
近くの公園には、鯉のエサやりスポットがあって、売店で一袋100円で鯉のエサは売っている。
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私は気がついてしまっていた。
鯉のエサやりが大好きなことに。
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上司から理不尽な要求をどんどん言われ
逃れる方法は、私が努力して仕事を覚えて
必要とされるしかないと思っていた。
朝起きれなくなり、お弁当も作れなくなり、
お化粧もしなくなり、覚えが悪く、要領が悪いのは事実なのに「あー、この人は更年期でイライラして私にあたってるんだ」って自分の不甲斐なさを受け入れることが出来ず、相手のせいにしていた。
泣くことも、振り返ることもできなくて
もう、いっぱい、いっぱいで、車のドアをバチャンと閉めた瞬間、涙が止まらなくなって
もう潮時だなって。
心底、辞めようと決意していた。
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パラパラとエサを撒くと鯉たちはパチパチと寄って来て、パクパクとエサを食べる。
ピチピチと跳ねながらやって来る姿に、今まで味わったことのない、とろけるような甘美な心地よさが体中をかけめぐった。100円の鯉のエサが宝石みたいにキラキラしていた。
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いつだって、公園に行けば鯉のエサができる!
この何気ない、とりとめのない時間に、意味なんて存在しないかもしれない、ううん意味なんてなくていい。私は鯉のエサやりに救われつつある。ううんもう充分救われてる。
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もし、許されるのならホームセンターで
鯉のエサを袋で買ってきて、袋ごとぜーんぶ
ばら撒いてみたいな。怒られるまで撒いてみたいな。
エサまみれの、ピチピチの鯉を見てみたいな。
変態ちっくかな??
満たされない、独りよがりな私のかないそうでかなわない、かなえたい夢♡