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イジメられのカリスマ2 〜娘もイジメられた〜 第拾漆話
強い日差しに背を押され、大声を出しながら
綱を引っ張り町中を駆け回る。
お昼を回った頃、お陽様も疲れたのか、雲の隙間へと逃げ込んだ。
後もう少しでお昼休み。
トトは先頭を走り、お兄ちゃんは後ろでだんじりを押している。
気づけば、数m先にいたはずの豚足と鶏皮がいなくなった。
熱くて雲の隙間へ逃げ込んだのかな?
さっきの休憩の時は居たのに…
まぁいっか!
お昼休憩のジャンボ公園についた!
カレーの匂いにつられ、皆が会館の中へと入って行く。
トトは外のテントで一足先にお酒を飲んでいた。
いつも通り楽しそう…
ホンマにこの後怒るのかなっていうくらい楽しそう…
さぁ~、ハナは今からカレー食べよー🍛
会館を覗くとハナは皆と楽しそうにカレーを食べている。
その姿を見て安心した。
さぁ~、俺は雲の隙間へと行こか!
会館から少し離れた公園内のベンチに向かった。
ベンチという食卓に並んだ豚足と鶏皮
その横にはユカの母親が立っていた。
二人が逃げないように手前の休憩で竜一にココに連れてくるよう指示をしていた。
ユカの母親はいつも通り愛想よく挨拶をしてきた。
今から泣くのに、何も知らんと…
「お腹空いてるのに、こんな所呼び出してごめんや
で! ちょっとだけ喋らしてもらうわ。
単刀直入に言うけど、お前が必死で育ててる
この二人な、学校でいろんな子をイジメてるらし
いわ。学校の事はどうでもええねんけど、
そのせいで、その子達は祭りにこーへんように
なってな、イジメられて来てるのはハナだけや。
この祭りでハナをトコトンイジメて、俺とハナ
を辞めさすらしいわ。」
「そんな事言ってないし!」
と豚足が抵抗する。
母親の足が震えだしてきた。
「わかった!わかった。これが証拠や。」
僕の手から差し出したスマホには、二人が送っていたLINEの写真が映し出されていた。
母親は膝から崩れ落ち、泣き出した。
その声を掻き消すくらい、セミも泣き出した…
第拾捌話へ続く…