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「さみしい」も立派なホントのじぶん【人は、なぜさみしさに苦しむのか?】中野信子
おはよう・こんにちは・こんばんわ
「かき氷」 というアカ名で投稿している者です。
この投稿含めた「読んだ本の感想」を投稿しています。
今のところ毎週後半の投稿をこころがけておりますが、仕事などの都合で前後する場合もございます。
※制作スケジュール大幅に遅れてしまったのでこの投稿は(11/4~11/10)分となります。お待ちしてくださっていた方々ホントに申し訳ないです。
今回紹介するのは
中野信子 著
人はなぜ、さみしさに苦しむのか?
この本は「さみしさ」の正体を解き明かし、上手に付き合っていくためのヒントを書いた1冊。
・さみしさから解放されたい
・1人で楽しめる生き方を知りたい
・自分の機嫌を自身で取れるようになりたい
など抱いているアナタにおすすめです。
全体で280ページほどと多めではあるものの、スラスラ読み進められる構成と読みやすさというのが第一印象でした。
「気分病み病みで本なんか読む気力ねぇよ」という人にこそオススメです。
著者の中野信子さんは脳科学者をされています。
今回紹介する本書以外にも多くの書籍を出版されています。
(本書巻末と下記サイトから参考)
人は誰しも「 さみしい 」という感情を持っているもの。
それは孤独だけでなく、集団にいたとしても内で感じる感情なのです。
さみしさという感情はどこかマイナスで見られることが多いのでネガティブな印象を抱かれがちです。
そのさみしさを発端に悲しい事件などが起こることだってあったりと一筋縄ではいかない感情でもあるのです。
そんなさみしさと深く向き合うための機会を作るために著者が書いた本の紹介となります。
「さみしさ」とは複雑で一見すると厄介な感情です。
では、さみしさとは何故備わっている感情なのかという疑問にたどり着くでしょう。
この「さみしい・孤独」という感情を備えている理由のひとつが「孤立するとより危険が増すため」
人の脳は狩りをしていた原始時代とそこまで変わっていないので、現代社会への孤独に対して敏感に反応するというわけです。
つまり脳は、狩猟時代からそもそものシステムは変わっていないというわけです。
脳が変わらぬまま社会・環境が変化したこともあり、私たちは猛獣などの外敵がいなくなったも同然の社会で生きています。
すなわち固まらなくとも1人で生きていける社会構造となったのです。
人の脳が集団生活が主の原始時代のままから現代になったことで、1人で生きられる世の中で孤独を覚えるようになったというイメージです。
さみしさは誰もが感じてしまうものであり、対処法を間違えれば、怒りや憎しみなどの更なるネガティブ感情を生み出し、攻撃的になってしまう危険もございます。
本書では「さみしさ」の正体を明るみにしつつ、さみしさとうまく付き合うアドバイスまでふんだんに書かれています。
「さみしさ」とうまく付き合っていくための助言がまとめられた1冊の紹介です。
それでは解説に移りましょう。
◆さみしさは相手と共有しづらい感情
さっそくですが、自分以外の2人がいて、片方が相手を殴ったとしましょう。
殴られた痛みというのは第三者に説明すれば伝わることのほうが多いでしょう。
それくらいイメージしやすい痛みというわけです。
では「さみしさ」はどうでしょうか?
人によって「さみしい」に対しての感じ方・個人差というものがあまりにも多く、気持ちとして共有しづらいのです。
さみしい人というと、ついひとりでいる人を想像しがちですが、「ひとり=さみしい」とは限りません。
(中略)
ひとりや孤独は状態を指す言葉であり、一方のさみしいは主観的な感情だからです。
◆さみしさとは「人間が生き延びるため」に備わった仕組み
この「さみしい」という感情は厄介なもの。
という認識ではあるものの。
そもそも何故「さみしい」という感情に至るのか?
という疑問になっていくでしょう。
その正体について本書はこう書かれていました。
人が種を残し生き延びるためには、食欲や性欲と同じように、さみしさも意志の力などで簡単にコントロールできないように仕組まれた「本能」であると考えることができるのです。
赤ちゃんや子供が、母の姿が見えず泣き出すのは、ひとりでは生きていけないほど未熟な状態なので、誰かに守ってもらうために存在を知らせているということにも捉えられます。
鳴き声を大きくあげたひな鳥が多く餌を貰えるのも生存本能のひとつということです。
「さみしい」という感情は生物が生き延びるために必要な生存戦略だったというわけです。
冒頭で「人の脳は狩猟時代と変わっていない」と書きましたが。狩猟時代からのアップデートされていないシステムが現代社会に適応しきれていないとも考えられます。
猛獣などの脅威がいない分、集団でいる方が安全でもなく、1人で生きられる環境になってしまった。けど脳は太古の昔から変わっていないので「さみしさ」が危険シグナルとして認知されづらい
とも考えられるのです。
脳はまだ狩猟時代のままで、現代社会に適応できていないのです。
人が仕事をしたり、世界中の人とネットやSNSを通じてでも繋がれるようになったのも、人類の歴史で言うならば極々最近のおはなしなのです。
結論から言いますと
「さみしさ」は生物が元から備えていたシステムのようなもので、無くせるものでは決してない。
のです。
「さみしさ・ネガティブ感情は人が生き延びていくための防衛メカニズムだった」ということだけでも覚えていただけますと、さみしさと上手く付き合っていくための手助けになってくれることでしょう。
◆さみしさとの向き合い方
ここまで読んで、さみしさが消せるものでは無いと知り絶望状態の方もいることでしょう。
「さみしい」にネガティブ感情を抱かぬようにと言われてもすぐに思考をチェンジするのは容易な話ではないでしょう。
本書では「さみしさ」と上手く付き合っていくための攻略についてたくさん書かれています。
その中から一部厳選という形で紹介していきましょう。
1.まず「自分の心に起きたこと」を受け止める
「さみしい」という感情はいろんなシチュエーションで起こってくるもの。
本書の例えを借りるなら
『大切な人・モノを失い、心に大きな穴ができた』
という状況になったとしましょう。
想像だけでもひどく傷つき冷静な判断など下せない状況でしょう。
こういった場面などの「さみしい」「傷ついた」とう気持ちに陥った際に大切になるのが
「こんな自分はダメな人間だ」などと自分を否定し、さらに傷つけてしまうことがしばしばあるかもしれませんが、そんな気持ちさえも、自分の心に起こったこととして受け止めていくのです。
「自分の心に起きたことをまず受け止める」というのは、自分を大事にするということでもあります。
気持ちに蓋をして振り切るより、自分の気持ちとじっくり向き合うことのほうが大切だと著者は書かれています。
大前提として、自分を大切にできない人は、周りにいる人の気持ちに向き合うこともできないでしょう。
今の自分とじっくり向き合い、まず受け止める。
これこそがまず重要なのかもしれません。
「このさみしさとどう向き合っていくか?」
「時間かかるだろうね」
「さみしくて当然だよね」
と自身に語りかけていくことで思考を整理するみたいな感じです。
「さみしい」という気持ちから目を背けるのではなく、じっくりと向き合って、受け止めたうえで、その気持ちとどう付き合っていくかを考えることが、気持ちをコントロールするうえで大切なことなのかもしれませんね。
2.相手を「自分とは違う人間」ということを理解する
人間関係において、ほどよい距離感で人と接するポイントが3点ありまして
・期待しない
・要求しない
・批判しない
となります。
相手は家族、身内、仲間であれ元は他人なので、自分とは違うことだって多々あります。
おそらく向こうも私のことをそういう認識で見ている可能性だって有り得ますので。
良好な関係を維持している人は、相手は自分とは違う人間であることを理解し、なにもかもすべてを共有できるわけではないことを知っています。
相手に「もしかして拒絶されてる?」と不安になった時でも「まぁ向こうにも気分ってあるよな〜」「悲観しながら付き合うのも自分に良くないよな」と考えて、自分の気持ちメインに制御することが大切です。
人とのつながりがなくさみしいときは、自分がどんなつながりに価値を感じるかを考えてみるといいと思います。
尺都合でこの投稿では触れませんが
すでにあるつながりの質を見直してみる
という章があるように
人間関係で大切なのは「量より質」ということとも捉えられます。
この人とどういう関係・距離感になりたいか?
ということも、さみしさをコントロールするうえで重要なことなのかもしれません。
「さみしい」という感情だけでなく、様々な感情をうまくコントロールするためにも必要な人間関係を構築しておくことは大切なことなのです。
・この人には、いつも素直な気持ちが言える
・不安なときメッセージを送ると安心できる
たとえ小さくとも、心の拠り所になれる関係を持っておくことは生きる上で重要ということです。
さみしさのスパイラルに飲まれそうになった時は、行きつけのバー店員やカウンセラー
かかりつけ医
心を許せる身内などといった心のセーフティネットを作っておくことが重要となるのです。
内容ごちゃ混ぜで支離滅裂になってしまいましたが。
ここでは
・相手に「期待・要求・批判」はしない
・相手は自分と違う人間というのを心得ておく
・人間関係で最も大切なのは「質」
・心を許せる拠り所を作っておく
の4点を理解していただければと思います。
3.運動はストレスを軽減する
おそらく有名かもしれない対処法ですが、説明しましょう。
運動は、数多くの研究結果からストレス緩和に効果的だと言われてきました。
運動は、思考を前向きにしてくれるホルモン分泌に大きく貢献してくれるというわけです。
運動することで、セロトニンなど うつ状態を緩和してくれるものが分泌されるのです。
強いストレスを抱えている時は、精神的にも疲れてはいるものの運動不足で睡眠準備ができておらず眠れないとされています。
激しい運動でなくとも歩行、呼吸などの日常的な動きでも、運動と少し意識するだけで効果はあると書かれています。
さみしさ緩和という直接的な解決ではないものの、小さいことから自分を前向きにするという姿勢こそが、さみしさと付き合って行くための必須事項なのかもしれません。
4.ひとりでできる趣味を持つ
紹介してきたなかで、おそらく孤独を癒してくれる手軽な手段はこれではないでしょうか。
集団での遊びや交流だけでは、いざ1人になった時に残るのは「さみしさ」だけということになるので。
1人で楽しめるものの例として、ゲームや創作など案外浮かぶものは結構多いかもしれませんね。
とは書かれつつも
「あたしゃ趣味なんてないよ」
という人もいるでしょう(人間そもそも趣味が無いのが普通とも何かの媒体で聞きましたが)
著者は趣味の探し方について
いま、なにも趣味を持てていない人は、どんなことでもいいので、ひとりでできる趣味を持つことにも少しずつトライしていきましょう。
「ひとりでやってみたいこと」のリストを作成してみることが、第一歩です。
と書かれています。
著者も、スキューバダイビングに出会ってから次の目標を決めるなどして、心が満たされいるとのこと。
・楽器をしてみる
・絵を描く
・文章を書く
・ライブに行ってみる
など何だって構いません。
興味や好奇心が湧くものに一度触れてみることです。
もしかすると、趣味探しで触れたモノ・コトをきっかけに人生が急速に動いた!ということだってあるかもしれませんので、トライしてみる価値は大いにあります。
ちなみに、私が今書いているこの文章投稿も、元々は「投稿してみたい・書いてみたい」というキッカケから始めたものです。
もう1つ覚えておいてほしい点が
趣味は別に続かなくてもいい
趣味はあくまで他人ではなく自分目線でやっているもの。
義務やガチガチになったりする必要は無いというわけです。
いろいろなモノ・コトに触れて、ひとりになった時に自分を保てる拠り所を作ることは特に大事だと思います。
5.読書でたくさんの話し相手をもて
最後にピックアップするのは、この投稿の関係ワードでもある「読書」について。
本といういわば " メタバース " のなかで、たくさんの登場人物と一緒に過ごしているからです。いま、わたしの書いた本を読んでいるみなさんも、読書の最中は、わたしと一緒にいるのと同じことです。決してひとりではありません。
本は出ている以上、書いた人という存在がいます。
書いた人の思考が文字となっているということは、すなわち「人」そのものという考え方にも繋がります。
この本も例外でなく「著者である中野さんと私」だけの対話という構図が本を通じて成立するわけです。
本とはある意味で「著者が形を変えたもの」
すなわち「著者との対面」となるのです。
それに人の脳というものは新しい情報を得ようとすることで機能を発達させているとのことですし、歴史的にも知識が多い方が生存の可能性が上がったりなどメリットしかなく血となり肉となる孤独解消法となるというわけです。
上記については、ずっと読んでは投稿し続けてる私としてもマジな話です!!!
(まぁ1ヶ月以上投稿あけてしまった身だが)
読んでいる間「私と著者」だけの空間となって気持ちめっちゃ落ち着きます。
これに関しては論より証拠といいますか、気になった活字本、マンガ、小説なんでも構いません。
実際に読んでみて、老眼でしんどくとも音声で読み上げてくれるオーディオブックという便利なものもある時代です。
是非騙されたと思って読んでみること推奨します。
もしかすると人生観を変えてくれる出会いがアナタにも巡ってくるかもしれませんよ。
【まとめ】
・さみしさとは他人と共有しにくい感情というのが世の方々が思うであろうこと。
・「さみしさ」は生物が生きていく中で必要だった。
狩猟時代に人は1人では生きていけなかったのもあり、その当時の名残のまま社会が変わったことで、人の脳が現代に着いて行けなくなったというのが「さみしさ」の正体。
・「さみしさ」は生物の本能なので消すことは残念ながらできない。が!上手く付き合っていくための攻略法は存在する。
1.まず自分におきたことを、そのまま受け入れるところからはじめてみる。
2.相手は自分と違って「他人」であることを心得たうえで『期待・欲求・批判』をしない
3.運動はストレス緩和に効果的
4.人は1人になる状況というものは付き物。だからこそ1人で没頭できる趣味は持っておくに越したことはないし、趣味から新たな可能性が生まれることだったあるかもしれない。
5.読書は1人で行うことではあるものの、本は著者の考えがつまったある種「人」そのもの。
読んでる間は「著者および中の登場人物+私」という対話となるので孤独への対策に最適。
新しい知見や刺激を得られるのでメリット絶大です。
まとめますと
孤独は消せないものだからこそ
上手く付き合っていくことに重点を置いて
自分らしく生きようぜ
ざっくり言えばこんな感じですかね。
ここら辺で終わりにしましょう。
他にも
・ソロとぼっちの違い
・親が感じるさみしさ
・思春期に孤独感が強くなる理由
・「老いのさみしさ」に潜む危険
・さみしさのストレスは健康リスクを高める
・さみしい時に寄ってくる人には警戒せよ
・一緒にいたい人に怒りをぶつけてしまう驚きの理由
・さみしさがもたらすリスク
・内向型か外向型かを知っておくことの大切さ
など「さみしさ」の正体・状況に応じた対策が盛りだくさんです。
ボリュームの都合で書ききれなかった重要な点もまだまだございますので、気になったそこのアナタに読んでほしい1冊です。
他にも読書感想の投稿をしておりますので気に入ってくださった方は是非マガジンから他の記事も見てくだされば私とっても喜びます。
今のところは週の後半を目安に投稿しておりますが、投稿時点の今だと忙しくなってきたため遅くなる場合もございます。
可能な限り更新していきますのでよろしくお願いいたします。
【余談】「さみしさ」とは分かりづらい感情だとも思える
ここはわたし個人的な感想を軽く書いてく場なのでご興味ある人のみ読んでいただければと思います。
と、その前にですが。
1ヶ月半ものブランク作ってしまい、もしお待ちしている読者様いましたら本当に申し訳ございませんでした。
他投稿を優先しちゃったり、プライベートで色々あったり、個人のメンタル問題などでここまで延びてしまい自分でも驚きです。。。
投稿ペース挽回頑張っていく所存です。
何卒よろしくお願いいたします。
ここ最近
じぶん「1人が楽」とばかり信じていたものの
「さみしさに押し潰されそう」
って時も多いよな〜
って感じる場面に多く出くわすようになった気がする。
私自身「1人で○○したい」ということが昔から多かったタイプの人間だったなぁ〜って思うんです。
小学校のときも皆でドッジボールより1人で自由帳広げてたいな〜に近いタイプでしたし。
集団の外で1人で遊ぶ道選んだりと。
良く言えば独創的
悪く言えば社会に馴染めない人
みたいな印象ですかね汗
両親いわく、ホントに話さない子だったらしく、幼稚園はいる前から集団との交流に積極的だった印象ですし。それでも1人になる選択を取るってことは元々1人が楽ってタイプなのかもしれない。
ただ同時に「人ってある程度つながり無いと精神持たないんだな」ってことも実感していた。
人生のなかで「1人を選ぶことが多かった」分ここ最近で人と固まることも多くなったので、離れた時に潜在意識で感じていたであろう「さみしい」が表れたのかもしれませんね。
自分の中にあったさみしさに混乱したのもあって、読もうかと悩んでいた候補であった本書を手に取らせていただきました。
さみしさの正体を知れたこと、さみしさへの対策が今まで私がやってきたことだと再確認できたこと。
改めて自分と「さみしさ」についての距離感について知ることができ、更なる知見に出会わせてくれた著者 中野さんに感謝です。
ここで得たことをできる範囲で思い出しながら日常を歩んでいこうとおもいます。
まとめらしい締めではありませんが、投稿溜まっているのでこの辺で終わりにします。