【散文詩】半自動筆記に依る夜想曲(21)-3<終>:『For Answer』-3<終>
人はいつも心に矜持を保っているべきだと思うんだ。
だからこそ人は自由で在れるのだし、物事に偏り無く遍く接する事が出来るのだし、互いに尊敬し、慈しみ合えるのだと、私は思って居るよ。
もちろん、それはただの理想でしか無いし、『薔薇色の未来』なんて存在すらも不明な不確かな世界像ですらも無い。
けれど、心に抱いている理想のために、
人は動く事がは出来ると思うんだ。
だから、私は、この圧し潰そうとする世界に、たった一人でも良い、この獣の数字を振りかざす魔物に、全身全霊で立ち向かっていきたいと願う。
この試みが途方も無く、しかも絶望的なものにしかならない、きっと風車に立ち向かうドン・キホーテより無謀で底抜けに愚かしい事は百も承知だ。 だけど、やらずには居られなかった。
果たして私がやらなければ誰がやるのか…そう考えると、答えは既に決まって居た。
そろそろ便箋も尽きそうだ。
私はもう、戻る事は出来そうに無いと思う。けれど、『好き』の気持ちについて、何か世界に変わりがあるとしたら、その動きに私は微力を添えて居るのだと、そう思って欲しい…。
最後に重ね重ねだけど、本当にごめんなさい。
そして本当に本当に、今までありがとう。
私にとって最愛の、青き春で在る、貴女に。
<了>