【子育て】指差しと言葉
言葉が出るのがちょっと遅いかも?と、悩んでいらっしゃる方
語彙の獲得を目指している学校の先生方
に向けて、今回は、幼児の指差しの重要性について書きます。
ある研究者が、指差しとその後の言葉の関係を研究しました。その結果、幼児の指差し回数が、その後の言葉の獲得を予測することを示しました。
指差しをしている時に、いったい、子供にどんなことが起こっているのでしょう。
1歳半の子供が指差しをして、親に何かを伝えようとしています。
幼児:ん、ん、
そうすると、親も、指を指して、
親 :ワンワンだね。ワンワン。
この時、幼児と親は、同じものを見て、ワンワンという言葉を共有します。
これこそが、まさに言葉を獲得する瞬間なのです。
子どもが指を差して、あるものを見て(注意を向け)、親もそれを見て(注意を向け)、言葉にします。
すると、子供は親が自分と同じものを見ていることを認識し、それが「ワンワン」であることを理解するのです。そして、「ワンワン」と同じ特徴をもつ犬を「ワンワン」と言うのです。
ここで、重要なのが、
指を差している子供の注意の先のものに、親も同じ注意を向けていることを、子供が認識していること
なのです。
この状態を、共同注意というのですが、この状態がないのに、言葉を発しても、それは、ただの大人の独り言に過ぎないのです。
もちろん、親が指を差して、子供の注意を向けた後に、言葉を発することは有効でしょう。
ただ、親が注意を向けたのか、子供自身が注意を向けたものなのかには、注意を向けた先のものへの関心の高さに違いはありますが。
しかしながら、子供が指差しをした時は、言葉の獲得のチャンスなのです。
これらは、幼児の研究をもとにしていますが、学童期の子どもも当然、指差しをしますよね。もっと年齢が上がっても、指差しをします。
言葉の獲得には、子供が自分の注意の先に、大人が注意を当てているという認識がとても重要なのです。