sita.hiro

認知言語学、国語科教育を専門に研究しています。 研究と教育現場での経験を基にして、子育てのあれこれを発信します。 人はまぎれもなく言葉で子育てをしています。子育て中についつい言っちゃう言葉、その変え方をご提案します。

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認知言語学、国語科教育を専門に研究しています。 研究と教育現場での経験を基にして、子育てのあれこれを発信します。 人はまぎれもなく言葉で子育てをしています。子育て中についつい言っちゃう言葉、その変え方をご提案します。

最近の記事

【コラム】つらかったあの頃に意味をつくるために

 誰でも、人生に一度はつらい時期があったことと思います。  もし、今、生きていくことがつらいと話す人がいれば、その方を応援するコラムを届けます。と言いつつ、このコラムは自分への励ましかもしれません。  現在、41歳の筆者は、今のところ、36歳の頃が人生で1番つらい時期でした。  当時は、つら過ぎて、自分のやっていることには、一体、何の意味があるのだろうと自暴自棄になっていました。  でも、5年たった今、当時の自分に、やっと意味を見出せるようになりました。  それは、

    • 【子育て】指差しと言葉

       言葉が出るのがちょっと遅いかも?と、悩んでいらっしゃる方  語彙の獲得を目指している学校の先生方 に向けて、今回は、幼児の指差しの重要性について書きます。  ある研究者が、指差しとその後の言葉の関係を研究しました。その結果、幼児の指差し回数が、その後の言葉の獲得を予測することを示しました。  指差しをしている時に、いったい、子供にどんなことが起こっているのでしょう。  1歳半の子供が指差しをして、親に何かを伝えようとしています。 幼児:ん、ん、  そうすると、

      • 【学校教育】聴覚的ワーキングメモリのトレーニング

        先生:さっき、言ったばっかりでしょ? 子供:あれ?なんて言ってたんだっけ?  こんな光景をよく見かけますが、これは、聞いた言葉を覚えておくのが苦手な子、いわゆる聴覚的ワーキングメモリ容量が小さい子の特徴です。  聞いたことを一時的に覚えておく力(以下、聴覚的ワーキングメモリ)は、生活をするうえで、とても大切な力です。 先生:13日(金)までの消印が必要ですから、今週    中に、必ず、郵便局から送ってください。 子供:忘れていました。 なんてことになると、その子の

        • 【学校教育】声を出して読んでもいいんだよ

           子供が本を好きになってほしい、文章の内容を理解できるようになっててほしいと親も教員も願っています。しかし、「うちの子は本が嫌い」「児童は文章の内容を理解することができていない」という声をたくさん聞きます。  筆者も子供が本を好きになって、文章の内容が理解でき、豊かに知識を獲得してほしいと願っています。  今回は、読書嫌いに繋がる学校教育の一コマを取り上げます。  学校教育は、学力の向上や学習規律の確立などの観点から、朝読書や隙間読書などの読書を推進しています。ついては、筆

          【総論】子育ては、言葉でしている

          子育ては、言葉でしている まぎれもない事実です。 分からないで、言っちゃってる言葉 分かっているけど、ついつい言っちゃう言葉 いっつも言ってるけど、伝わってない言葉 などなど、いろいろあると思います。 みんな子育てに奮闘しています。 皆さんの気持ちが少しでも楽になったら… 皆さんのヒントが見つかったら… 皆さんの子育てのエネルギーになったら… そんなことを願いながら、 子供への言葉がけをご提案します。 どなたかの子育ての力になれたら…それが筆者の生きる意味です。

          【総論】子育ては、言葉でしている

          【子育て】どうして、できなかったのかな?

          「どうして、できなかったのかな?」 と、子供に失敗を振り返らせてはいませんか? 最近、教育界で、 メタ認知 リフレクション 振り返り などの重要性が説かれ、子供の行動を振り返らせる様子をみます。 私も、それらの重要性には同意します。 しかし、失敗を振り返る際のデメリットを危惧しています。 大人は、子供に 「どうして、できなかったのかな?」 と、うまくいかなかった原因を追究させ、問題を解決する力を高めたいと考えています。 しかし、子供は、大人に 「どうして

          【子育て】どうして、できなかったのかな?

          【子育て】何回言ったら分かるの?

          「ジュースをこぼさないようにね」 「家に帰ってきたら、靴を揃えてね」 などと、何回も言うけれど、子供はなかなかそれができずに、 「何回言ったら分かるの?」 と、子供に叱ったことはありませんか? 実は、何回言っても、子供は分からないのです。 それは、 「しる」「わかる」「できる」 は、そもそも別ものだからです。 運動すれば、ダイエットできることは知っているけど、どんな運動が1番よいかは分からない 1番よい運動は分かったけど、毎日はできない ですよね。 大人で

          【子育て】何回言ったら分かるの?

          【コラム】あんたは、原発反対か?

          「あんたは、原発反対か?」 おかんが、そう聞いてきました。おかんは続けて、 「私は絶対反対やわ!あんなん早く無くさなあかんわ!」 私はド正論だと思いました。おかんは、自民党の総裁選に当たって、原発をすぐにでも無くす議論をしてほしいそうです。 私は、 「もちろん反対。」 と答えました。 おかんは、嬉しそうでした。自分と同じ考えの持ち主が見つかったからだと思います。 でも、おかんに、 「もし、今日、原発全部稼働やめて、明日から原発ゼロになったらどうなると思う?」

          【コラム】あんたは、原発反対か?

          【コラム】正直、ちょっと恥ずかしい

          最近はSDG'sイラストをよく見かけます。 子供の未来を考えて何かやってますか?って言われて、どきっとしました。 電気自動車に乗っているわけでもないし、いつもエコバッグ持ってるほどのマメでもないし… でも、1つだけは子供と一緒に取り組んでることがあります。 どうしてもレジ袋が必要なときは、レジ袋を買わず、地域指定の燃やすゴミ袋を買うようにしています。 そして、スーパーで買った食材を燃やすゴミ袋に入れて持って帰ります。 正直、ちょっと恥ずかしいです。皆さんがエコバッグや

          【コラム】正直、ちょっと恥ずかしい

          【子育て】ちょっと 待ってて

          「ちょっと 待ってて」と、子供に言ったことはありませんか? 大人は、子供をその場に留めていたい時に、「ちょっと 待ってて」と言いますよね。 でも、ちょっと待たせた後に戻ってきて、子供が思ったように待っていなくて、 「待っててって 言ったでしょ!?」 と、なったことは、ないでしょうか? それは、「待ってて」の言葉に秘密があります。「待つ」行為の視点を、大人から子供に移動してみましょう。すると、「待ってて」は、「何もしないでここにいる」となり、形のない状態を伝えられているの

          【子育て】ちょっと 待ってて

          【子育て】この家には、何人住んでいるのかな?

          家に帰ってきたら、家族の人数より多い靴が玄関に出ていることはありませんか? 「この家には、何人住んでいるのかな?」 【8歳児の反応】 「4人だけど…」と言いながら、自分の靴を下駄箱に片付けにくる。 【5歳児の反応】 「5人、ハムスターも入れてね!」 5歳児には、「何人住んでいるのか?」ということが、メタファー(比喩)であることがわかりません。 そういう時は、「5つも靴が必要かな?使わない靴はしまおうね」と、比喩を理解させてあげる必要があります。 そうしていくうちに

          【子育て】この家には、何人住んでいるのかな?