【社会人留学2年目】少しの余裕といつものドキドキ ~Week1~
こんばんは!
無事に修士2年生になり、最初の一週間を終えました。
一年目は、過ぎてみればあっという間の一年だったような気もしますが、振り返るととても濃密な日々で、いまぱっと思い出せる限りの出来事・感情がすべてこの一年に収まっていたのかと思うとすごく不思議な気持ちになります。
自分でも学び尽くした!!という実感はありましたが、周りの方々が、私が学んだことを役立ててくれたり、学びに対する姿勢に関しあたたかなフィードバックをくださったりするたびに、より一層、学びに対する意欲が湧いてきます。特に人・組織の課題に対して、関連するフレームワークや理論をeffortlessに引き出しアウトプットする力がついたことを、友人達から「説得力がある」「体系的でわかりやすい」とフィードバックしてもらったのは大変嬉しかったです。
言い方が難しいのですが、人・組織のテーマに携わるに際して、人間としての成熟や人生経験が求められるように感じます。振り返ると、新卒の頃、シニア世代の社員の今後のキャリア形成に関して、相手の抱える不安や葛藤を想像することはとても難しかった。「部長」という役職が、どのように部長のアイデンティティーの一部を成しているのか想像に及ばなかった。今だって想像できかねるのですが(きっと、一生むずかしい)、初めて人事に携わってから時が流れ、その間に仕事・仕事以外の両面から経験学習サイクルをまわしたことで、見えるようになったこともあります。さらにアカデミックレンズを通してさまざまな事象のメカニズムを知ったことで、課題の解像度がぐんとあがりました。
何がいいたいかというと、人生経験をショートカットするのには限界があるけれど、研究を知り、理論を学ぶと、人や組織に介入する際に大切にすべき、抑えるべき観点を得ることができるということです。この分野は完全なサイエンスではないので、アカデミアの間でも合意されていない論点はたくさんあるし、たびたび新たな研究で塗り替えられていく論点もある。そのことからも、今日研究で言われていることが全てではないのですが、それとどう付き合い、どう活かすかを自分なりに学べたことにはとても価値があったと思います。
さて振り返りはこのくらいにして、今期の履修科目についてご紹介したいと思います!
2年目になると顔見知りも増え、「久しぶりー!!」という嬉しい再会や「前期に同じ授業を取ってたよ!よろしくね!」「もしかしてココ?XXの友達だよー!よく話聞いてるよ」といった連鎖的な新たな出会いもあり、さらに授業のフォーマットも理解していることから、去年にはなかった余裕がありました。強固なネットワークを持つことはレジリエンスを高める(ストレスに負けない!)、と以前教授に教わりましたが、その通りだなと思いました。
【Strategic HR Management】
授業概要(機械翻訳):”このキャップストーン科目では、人事ポリシーと実務への影響に焦点を当てながら、組織の意思決定と行動を分析する。組織の意思決定の多くは、雇用する従業員の数、必要とされるスキルの種類、従業員のパフォーマンスの評価と報酬の方法など、人事と従業員に影響を与えるものです。この科目では、学生はコアとなるビジネス科目と人事学を活用し、話題となっている一連のケースを批判的に分析し、組織の持続可能性を促進するための提言を作成します。”
実際にHRMソフトを使いながら、バーチャル組織の意思決定にチームで取り組んでいく、実践中心の科目です。チームですが、前期にインターナショナルHRMで一緒に組んだ3人とHRコンサルティングのクラスメートと組むことになり、私以外は全員オーストラリア人という、ビジネススクールの留学生比率を考慮するととても珍しい組み合わせになりました。ケースディスカッションをしていると、やはりネイティブの会話スピードにアウトプットがついていかず、その場で言いたいことが言い切れないもどかしい場面が早速ありましたが、スピードに引っ張られず、時間がかかってもきちんと言いたいことをすべて言い切れるように練習したい。
教授は米国の名門大学で、Human Resources and Industrial Relationsの博士号を取得されています。これまでお世話になった教授の博士号は、OB(組織行動学)や心理学、マネジメントでした。HRMど真ん中の専門家の彼女と学ぶ機会をとても楽しみにしています。
キーラーニング:
・Value-creation toolとしてのHRの役割(vs. cost center) をいかにビジネスに訴求するか→profit centerではなく、value-creation toolと表現されているのが新鮮だった
・HRMともたらすインパクトを示せないことには信頼されない;HRM施策を真剣に受け取られない
・人事がいわゆるHR(ヒューマンリソース)に進化したのは、第二次世界大戦以降。優れた兵士を雇用し、昇進させる必要があったため
・人事の相対的重要性は振り子(Pendulum)を使って説明される:一般的に、労働市場がタイト(求人数に対して求職者が少ない)と人材獲得競争が激化するため、人事の重要性が高まる一方、労働市場がスラック(求人数に対して求職者が多い)と企業にとって人材獲得が容易になることから、企業はコスト管理に重点を置く。よって人事の相対的重要性が低下する
・EYの調査によると、「過去3年間で80%のCFOとCHROが、相互により緊密なコミュニケーションを取るようになった」と認識している。企業のヒエラルキーにおいて人事の地位が高まり、CFOは企業の業績向上のために人事とのコラボレーションを期待している
【HRM in New World】
前期にHR Fundamentalsを担当してくれた教授と再会しました!当日までどの教授が担当か分からなかったこともあり、なおさら、嬉しい再会に気持ちが高まりました!休憩中に前期のお礼を伝えにいったところ、"Congratulations on your success last semester! I'm so happy to have you in my class again!"と言ってもらえてうれしかったです。
授業概要(機械翻訳):労働の世界は、経済、社会、テクノロジーの幅広い変化に対応し、大きな変容を遂げつつある。これらの変化は、仕事の組織化、人々の管理方法、労働市場のあり方に重要な影響を及ぼしている。この科目では、このような変化が組織やマクロレベルでどのように管理されているかを、競合する政策目標のバランスを取ることを目的とした公共政策の対応を通して見ていく。この科目では、理論とエビデンスの両面から、世界各国で生じている新たな人的資源管理および雇用の問題と政策対応について考察する。このような問題には、新たなアクターと制度、職業とキャリア構造の変革、人的資本への投資と管理、職場における発言と代表、労働力の多様性、技術革新、新たなビジネスモデル、新たな就労形態、オンライン労働市場、雇用の質とワークライフ、労働市場の不平等と不安、雇用をめぐるグローバルな競争などが含まれる。
キーラーニング:
・テクノロジーの発展、さらにはリモートワークの普及により、会議に費やす時間(GMP:gross meetings prescheduled) が増加している。Microsoftのリサーチによると、1990年代と比べて、2016年はGMPが50%以上増加している。パンデミックにより物理的な接触が激減したことで、公的な会議がカジュアルな会話に置き換わり、定時後まで、"Critical work/重要な仕事"に着手できない状況が観察されている。よって、2020年以降はさらにGMPが3倍増加した。ビジネスモデルが複雑化し、クロスファンクショナルな仕事が増えている点、意思決定における”インクルージョン(一人ひとりの意見を丁寧に聞く)”が美徳とされるカルチャーにシフトしている点が、GMPの増加に寄与している、と指摘されている →一人ひとりの意見を尊重することは大事だが、人件費や社員のウェルビーングを考慮し、その程度の見極めが重要。
・ハーバード、並びにMITの調査によると、47%のエグゼクティブが、「CEOの役割は完全に自動化されるか、AIにとって代わられる」と回答している→自分の立場を守るスタンスを取ると思ったところ、衝撃です!「ロボットは思考スピードが速いし、感情に左右されず、合理的な判断ができる」「利害やバイアスを排除し、組織にとって最も便益のある意思決定をしてくれる」さらにエセックス大学ビジネススクールの教授は「人間の上司を持つことにより満たされる社会的な側面を好む人も多いだろうが、パンデミックを経て、こだわらない人も増えているだろう」と述べています。→私は嫌だな、、、。フォーブスの表紙がロボットになる日が来るのだろうか。
【People & Capability】
授業概要(機械翻訳):人材によって競争優位を達成する組織の能力は、人材配置を成功させることから始まる。本テーマでは、組織の従業員を「作る」(育成する)か「買う」(採用・選抜する)かの意思決定を評価する。組織の人材配置の戦略的意味を検討し、理論と実証研究の両方を用いて、採用、選抜、研修の役割と影響を評価する。この科目の「買う」セクションのトピックには、採用ニーズの決定、選考基準の特定、社内外のソーシング、採用効果の評価、面接・選考手順、応募プロセスなどが含まれます。この科目の「作る」セクションのトピックには、研修ニーズの特定、学習スタイル、研修実施の計画、研修効果の評価方法などが含まれます。
唯一グループ課題のない、すべて個人課題の授業です(歓喜)。グループ課題にまつわるコンフリクトが多すぎることを見かねた教授が、学部と交渉?し、すべて個人課題の建付けにしたそうだ。ありがたい・・・。さまざまな場で出会った友達と毎週顔を合わせられるのが嬉しい!
キーラーニング:
・前述のとおり、ファイナンスとHRは綿密な連携が求められるが、利益と時間軸が異なるためコンフリクトが生まれがち。CEOを巻き込んで、三者で互いの利益にとどまらず、より大きな絵を見ることが重要
・アジャイルHRとは、ビジネスが長期計画からより迅速に適応し、イノベーションを生み出す敏捷な方法へと切り替えたことにより、人事もそれに合わせたマネジメントを行うことを指す。評価制度、キースキルの特定と育成、雇用、報酬設計に至るまで、トランスフォーメーションの範囲は広がる→アジャイルHRと聞いて真っ先に思い浮かぶのは評価制度ですが、それ以外にも雇用など、広範囲にわたって実践されるものだと学びました。GEがライン主導で、Hiring managers(雇用責任者)の役割をローテーションする例は興味深かった
・年次の人事評価レビューを廃止すると、フィードバックやサポートの総量が減ることが研究により明らかにされている。アジャイルHRマネジメントにおける典型的な評価方法は、迅速なフィードバックをより多く提供することである。それにより、タイムリーな修正が可能になり、反復によって業績が改善される
・アジャイルHRを実践するには、(特に評価の場面で)マネージャーのコーチングスキルが肝要 ”Once one experiences good coaching, one becomes a better coach." →尊敬するメンターが、「リーダーシップはカスケードダウンだ(マネージャー/リーダーがよいリーダーシップを発揮していると、部下もよいリーダーシップを発揮する」とおっしゃっていたことを思い出しました。
【Managerial Decision Making】
いまからとても、とてもビビっている分析系の授業です。最初のセメスターで履修したビジネスアナリシスの超応用版と聞いています。同時期に入学した友人の多くが前セメスターで履修していたのですが、漏れなく皆、苦労していて、バックグラウンド的に私よりも数字に大分明るい人達ですら相当な勉強時間を投下していたので、いまから大変になるだろうと覚悟しています、、、、。働いている頃は、データ分析、以前に数字を扱うことが得意ではないので、どうしても非数字的なアプローチに頼りがちだったのですが、自分の描くキャリアを実現するには避けては通れない分野。ファイナンスと人事の連携の重要性が叫ばれている昨今、なおのこと避けられません!得意にはなるのは無理でも、せめて苦手ではなくなるように、向き合っていきたいと思います><。再びグループ課題があり、それも高度な分析が求められる相当チャレンジングな内容のようですが、すでに履修済みの友人達に助けを求めると、「この彼/彼女も同じ授業取るからコンタクトしてみたら?」「XXは、分析が得意だよ!」と素敵な方々を紹介してくれたおかげで、一番大きな「グループ課題どうしよう…」という不安は少し和らいでいます。
はじめの週だったこともあり、かなりこってりとした内容になりました。次週以降は、もうすこしシンプルになると思います><。また覗いていただけたらうれしいです!それではよい一週間になりますように❤