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【社会人留学2年目(交換留学中)】ひとことがつなぐ縁。アイススイミング?~Week4~

こんにちは!
大量のインプットを受けながら、話したい人やもっと知りたいことで脳内が溢れ、つねに興奮状態にあるような毎日を過ごしています^^
(写真は、フィンランド語がわからず、また翻訳するのも面倒だったので、パケ買いしたヨーグルトですっ🌟)

早いもので最初のTeaching Periodが終了し、来週の試験に向けて準備の真っ只中です。3時間の持ち込みなし論述試験のため、相当な準備が必要で、日々かなりの認知キャパを消耗しています。。

メルボルンでは、どの授業においても試験に関する詳細なガイドラインがあり、通常、最終授業で質疑応答の時間も設けられていました。たとえば、採点基準、字数、ライティング形式(イントロ・ボディ・コンクルージョンを含むエッセイ形式か、ボディのみでよいのか)、引用ルール、持ち込み可否などが明確に示されます。さらに、過去問やサンプル問題も配布されるため、試験の形式や対策が比較的しやすい環境です。

一方、アアルトではどうだったかというと、メルボルンで受けていたような詳細な説明は一切なく、ワードファイルで過去問が4問アップロードされているだけでした。戸惑った私は、メルボルンでのスタンダードを前提に、不明点を具体的に確認したところ、持ち込み不可ではあるものの、形式や字数に関しては自由度が高いという回答で、面食らいました。

後日、チューター(過去の投稿でも触れましたが、留学生のサポートをしてくれる素敵な方です)と話をした際に、この戸惑いを共有してみたところ、「それはアアルトのスタンダードだね」「引用も、論理的かつ意味が通じれば形式はどうでもよい」と言われ、むしろメルボルンの厳密な形式を新鮮がっていました。省エネで合理性を重視するのがフィンランドらしさだと聞いていますが、それを象徴しているように感じました。

メルボルン大学では、ビジネススクールが授業や試験を含むカリキュラムを中央集権的に管理しているのに対し、アアルト大学では各授業(教授)の裁量が大きいように見えます。また、競争的な相対評価なのか、絶対評価なのかといった評価制度の違いも、こうした差に影響を与えているように思います。今後、教授にもこの違いについて意見を聞いてみたいと考えています。

世界一美しいと言われるパブリック図書館。スタイリッシュなデザインと機能性にほれぼれします。夜9時まであいているのもありがたい(メルボルンの図書館も世界一といわれています。それぞれに異なる趣、美しさがありどちらも素敵❤)

先週の授業では、思い出深い出来事がふたつありました。

まず、ゲストスピーカーが来たときのこと。北欧発祥の多国籍企業のファイナンス部門で働く方だったのですが、その方が組織図を見せながら、「何か気づくことはない?」と問いを投げかけました。授業の主旨的には、責任の所在や権限の大きさについてコメントするのが筋だったのですが、それに触れつつ、どうしても気になった執行役の属性についてもコメントしてみました。

"Another point I noticed is that there is no APAC representation on your leadership team. Have you considered this before?"
(「もう一点気づいたのですが、貴社のリーダーシップチームにはAPACの代表がいないようです。この点についてこれまで考慮されたことはありますか?」)

おそらく想定外の角度からの質問だったため、まっすぐな回答は得られなかったのですが、この授業の後、カフェテリアで食事をしていたところ、以前から私が一方的にその勤勉さや豊富な経験に基づく鋭い洞察に刺激を受けていたクラスメイトのEが、声をかけてくれました。

"Are you taking Performance Management? May I join you?"
(「パフォーマンスマネジメントの授業を取っていますよね?良かったらここに座ってもいいかな?」)

さらに彼女は、

"Thank you very much for mentioning the composition of the leadership team. I totally agree with you! They should have taken this consideration."
(「リーダーシップチームの構成について言及してくれて、ありがとう。全く同感です!彼らはこの点を考慮すべきですよね。」)

と言ってくれたのです。その後もさまざまなやりとりを通じて親しくなり、なんとアイススイミングに誘ってくれました。「感情のコントロールが上手くなるよ!」という言葉には、正直ちょっと惹かれるものがありました。寒いのは苦手なので最初はあまり乗り気ではなかったのですが、やってみようかなという気持ちになっています。

正直、授業中に少し的外れなことを言ってしまったかなとモヤモヤしていたのですが、結果的にEとの出会いを導いてくれたと思うと、発言して本当に良かったと感じています。振り返ると、メルボルンでも、授業の後に「ココの視点、面白いね」と話しかけてくれたことがきっかけで仲良くなった友人が何人かいたなぁと思います。

貴重な晴れ間!日光を浴びるチャンス!!

ふたつめも似たような話なのですが、授業で、以前いわゆるグローバルと名がつくチームで働いていた際に経験したリアルな苦労(ざっくりいうと各国の税法や雇用慣行の違いにより、さまざまな施策を個別最適にせざるを得なかった)を共有してみると、教授からものすごく感謝してもらえたということと、それに対して、Eと同じく授業で常に質の高い貢献をしているクラスメイトがかぶせるように、「今の彼女の発言で思い出したのは・・・」といって意味のある展開をしてくれたことでした。

この授業では出席は求められないものの、毎回リフレクション課題があり、授業において意味のある貢献(定義あり)をしたか?その場面について詳しく記載せよというものなのですが(ちなみに、先日メルボルン大学の教授とキャッチアップした際にこの話をしたところ、「とても良いアイデアだね。僕も使おうかな」と言っていました)今回はとびきり優秀なクラスメイトが私のコメントに反応し、さらに議論を深めてくれたこともあり、いつも以上にワクワクしながらリフレクションを提出しました。

一方で、「Good (Financial) Performance and good ethic are not always the same. Any examples?(良好な財務パフォーマンスと倫理的な正しさは必ずしも一致しない。何か例はあるか?)」という問いに対し、child labour(児童労働)などの例が挙げられる中、教授がわざわざ「日本ではどう?」と聞いてくれました。しかし、適当な例がすぐに思い浮かばず、苦し紛れに「日本では残業を含む長時間労働が今でもワーキングカルチャーの一部になっているケースがあり、経済的にはプラスになりうるが、ウェルビーングにとっては良くないので倫理的ではないのでは」と答えました。みなさんなら、どのように答えますか?

別のパブリック図書館
温かいデザインと緑に癒され、居心地最高でした

授業で気になった点は以下。

  • アングロサクソン系の経営論理は、フィンランドを含むノルディック諸国には必ずしも適用されない場合が多い。例えば、米国では個人の業績に紐づくインセンティブが重視されるが、研究によると、フィンランドではインセンティブが人々の業績に与える影響に有意差は見られない。しかし、近年では欧米や中国系の多国籍企業の影響を受け、価値観が変容しつつある部分もある

  • ESGのKPIは増えているものの、依然として戦略の核心には組み込まれておらず、意思決定への影響も(ノルディックとはいえ)限定的である

にょろにょろ❤ バレンタインなのでハートを纏う

また今週も、学外でも素晴らしい、アイオープニングな機会ありました。フィンランドでビジネスを専攻する女子学生や若手ビジネスパーソンの女性を対象としたイベントに参加したときのことです。企業とタイアップし、その企業が実践している心理的安全性の取り組みについて学びながら、ワークショップを行うという内容でした。前述の通り、私はネットワーキングには好んで参加しないのですが、興味深いテーマだったこともあり、思い切って参加してみることにしました。

感心&感動ポイントはさまざまあったのですが、何より驚いたのは、その企業の人事責任者が心理学の博士号を持つ研究者であったことです。(日本の大企業の人事責任者でMBAなどの修士号を取得されている方は何人も知っていますが、博士号まで取得されている方はなかなかいません。お一方、とても素敵な方を知っていますが。)その人事責任者の方は、まるでマリメッコのデザインにありそうな鮮やかな花柄のワンピースを着ていて、肩ひじ張らずに話してくださり、すぐに私たちの緊張を解いてくれました。

数々の素晴らしい取り組みをされており、特にチーム内で意見が賛同するものばかりだった場合、リーダーが自ら、「いま、合意によりすぎているから、異なる視点、意見がもしあれば、言ってもらえるととても嬉しいな」というようにされているとのこと。すると、意見が出ることもあるし、出ない場合も、そういった働きかけは社員の方から好意的に受け止められているとのこと。さらに、取締役会で一般社員が何らかのプレゼンテーションをする際に心理的安全が担保するためのミーティングルールがあるそうで、そこでは、取締役たちがどのようにふるまうべきか具体的なガイドラインが示されているとのこと。それにより、プレゼンをする従業員が感じる不安度が大幅に軽減され、従業員エクスペリエンスの値が向上したとのこと。

"Psychological safety is not a personality difference but rather a feature of the workplace that leader can and must help create. (心理的安全性は個人の性格の違いではなく、職場の環境そのものであり、リーダーが積極的に築き、維持していくべきものです)"

The Fearless Organization: Creating Psychological Safety in the Workplace for Learning, Innovation, and Growth(恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす)

まさに、その姿が上記を体現していると感じました。それにしても、一言ひとことに包み込むような温かさと魅力があり、すっかり心を掴まれてしまいました。そして、アカデミックなバックグラウンドを持つ方ならではのシャープさと説得力を目の当たりにし、私もそうなりたい!と勇気づけられる気持ちになりました。

その後の、グループワークも趣向を凝らしたもので、真似したい部分が数多くありました。長くなるので、詳細は省きますが、もし興味のある方がいらっしゃれば、コメントでお知らせください!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
それでは、よい週末をお過ごしください。

ネットワーキングイベントで知り合ったAとランチ♪(素敵な彼女のことは今後書きます!)
シリアの料理は初めてでしたが、好物のギリシャ料理と似ていておいしくペロリ~


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