最近、他責すごない?
僕はゴルフが大好きだ。
ゴルフというのは
技術的にはさほど難しいことが
要求される趣味ではない。
(PGAやLPGAツアーで
戦おうと思っている方にとっては
全くそういうものではないが、
ここでは一般に趣味として
楽しむ方の場合を想定している。)
ただ、精神的には
結構な強さを求められる趣味だと思う。
アマチュアゴルファーが
強くなれる秘訣はズバリ
ラウンド中に自身を責めすぎないこと。
ミスについていちいち自責しないこと、だ。
たとえばショートパットをはずしたとき、
どうして? こんなに短いのに?
悪癖が出ないよう練習してるのに。
鍛錬が足りないんだ、
余計なことを考えて集中してなかったせいだ
などなど
責めるべきことはたくさん思いつくし、
実際のところ
今後ミスを減らして成長するためには
原因ときちんと向き合い
悪癖を直すべく練習を重ねていく必要がある。
だが、
ラウンド中はぜったいに
そういう風に自分を責めてはいけない。
ショートパットをはずしても
「はん、悪くないパットだったのに
マジでこのグリーン、グリーンだけに草」
とか
「ショートパットとてはずすことはある。
はい次のホールに目を向けよう」
とか
ぱっと切り替えたほうが良い。
ショットやパターには
そのときの精神状態が大きく現れる。
ネガティブに自分を責めていれば
その通りのどつぼにはまってしまうし、
多少のミスでもおおらかに捉えていると
ミスの連鎖は止まって
意外と流れがよくなってきたりする。
反省会はコースを出た後、
ゆっくり行った方が良い。
僕や夫は真剣に取り組むあまり
ラウンド中から自身たちの
大小様々なミスに腹を立て、
自身を罵っていることがままある。
それはそれで
真摯にとりくんでいるからこその言動であり
姿勢として悪いものではないのだが、
あまりにも根を詰めて自身を責めすぎると
クラブを握ることや
特定のショットに対して
恐怖心が生まれてきてしまう可能性がある。
そうなるとゴルフ自体を
楽しめなくなってしまう。本末転倒である。
ということで、
僕はゴルフに関しては
あくまでもコース上では、
前向きに、
自責せずポジティブにやや他責
(同伴者相手とかではなく
自然のことだから仕方ないよね的な)
くらいがちょうどよいのではと考えている。
最近は日常生活において
なんでもかんでも他責の人が
増えてきているような気がする。
それは僕が
自己中心的で他責しかしない
義母と関わっているから、
余計そういう方が目について
印象に残りやすいというだけかもしれないが。
Twitterで、
「自分は野菜など
食材の管理が苦手である。
それは、野菜室が狭くて
全体を見通せないせいではないかと思う。
もっと大きな野菜室のある
冷蔵庫にしたら、
食材ロスが防げるのではないかと思う」
という投稿を目にしたときは
いや
さすがに他責すぎん?
自分の食品管理能力のなさを
冷蔵庫のせいにしてる人
はじめてみたけど?
と驚いた。
いつもの怒りのやつを通り越して
呆れるというか、
なんとも表現しがたい気持ちになった。
また、別の日には同じ方が
オリンピック選手の写真について
あまりにも酷い表情を切り取っており、
それについて
編集者・カメラマンの品位のなさを嘆く、
疑問視する投稿に対して
「業界の詳しいことはよく知らないけど
こういうことがあるとまた変な正義感を持ち出して
カメラマンを責める人が居て、それは違う。
カメラマンはただ撮ってるだけで
写真を選んで載せてるのは編集者だから」
というようなことを
引用か何かでリツイートしていた。
しばらくしてから見ると、
一番はじめに問題提起した方や
そのほか現職のカメラマンらしき方たちが
「いや、職場のカメラと画像の
やりとり方式にもよるけれど、
たいていはカメラマンが多少選んで
それを編集者に渡すもの。
だからカメラマンが問題の写真を
候補の中に入れているということ。
もしカメラマンが選別に
一切関われないとしても
被写体が悪く見える場面を狙って撮っている
(そういう依頼があって
撮っている場合もある)。
いずれにせよ編集および
カメラマンとしてどうなのかという話」
とたくさん指摘をしていた。
まあ、そうだよなあ
なんてぼんやり見ていたら、
冷蔵庫のせいにしている人は
「なんか、
コメントすべきじゃない界隈に
つっこんじゃったみたいで
いろいろ言われる」
みたいに投稿していて、
いやいやいや
他責すごいな。
よく知らないことを
知ったかぶりして
結構煽る文言使って
引用リツイートしたために、
逆に多くの人に間違いを
指摘されることになっただけやん。
僕が把握している他に
誹謗中傷受けてるとかなら
それはまた別の話だけど、
少なくとも僕はやりとりを見る限り
画像の話をはじめた大元の人や
その他カメラマンの人たちは、
比較的穏やかに現場の実情や
業界の流れを教えてあげているように見えた。
冷蔵庫の方は、もともと
ご自身が発達障害を持っていることについて
Twitter上では非常にオープンに話されている。
それはそれで
他の発達障害に悩む方の参考になったり
励みになったりするから良いのだろうが、
いかんせん
ご自身が何か失敗したときや
嫌なことがあったと感じたとき
とにかく全てを
発達障害のせいにしている
ように見えた。
いやわかる、
確かにうっかりミスとか
スケジュール管理ができないとかね、
発達障害ゆえに苦手なことって
たくさんあると思うよ。
現に僕も
非定型発達だからこそ
苦手なこと・できないことは
それこそ挙げたらきりがないほどある。
でも、たとえばの話
スケジュール管理ができず
会社の人に遅滞で迷惑をかけてしまったら
僕は「すみません、僕の不手際です。
今後起こらないよう注意します。
今できることは○○だと思うので取りかかります」
という風に、言い訳とか
そういうの全部一旦置いておいて
ミスでかけた迷惑を取り返すようにすると思う。
冷蔵庫の方はなんというか、
「発達障害でスケジュール管理が
なかなかできない癖があるんですよね」
で終わりにしてしまうことが多いように見える。
(上記はあくまでもたとえなので
冷蔵庫の方が
職場で障害をオープンにしているかとか
実際にミスしたときにどう対応しているかとかを
忠実に表現しているわけではないことは
ご理解いただければ幸いである。)
他責と自責のバランスというのは
非常に難しい。
自分を責めすぎれば
いじめ抜けば鬱になる。
さりとて
他責してばかりでは
人間的成長や深みの醸成に欠ける。
適度に、
健全な視点を持って
客観的に自責するというのは、
そもそもそれ自体
非常に難易度が高い。
ちょっと浮いた球に対して
ロブショット(バンカー越え)
を行うのを毎回要求される感じだろうか?
それは僕の認知レベルだからか。
健全な人はもう少し難易度が下がるかもしれない。
比較的健全な認知状態と
健全なストレスコーピングが求められるし
何より普段から思考する癖も求められる。
要は他責している方が
人生はずっと楽で、快適なのである。
だからみんな行うのだろう。
法律に触れさえしなければ
どれだけ他責を行って
自身の魂を汚している人でも
裁かれたり、後ろ指指されたりはしない。
では、他責によりうまれた
怠惰や醜悪という罪は
誰に見られて、どこにいくのだろう。
追記
ゴルフは卓球やテニスほど
即時性の求められるものではないので、
今回の例には当てはまらないのかも
しれないが、一応僕の見解を書く。
スイング中やフィニッシュなど
ブス・ブサイクに撮ろうと思えば
撮れる場面はいくらでもある。
だが僕の把握している限り
PGAやLPGA公式メデイアは
写りが悪い瞬間のものを
取り上げたりソーシャルメディアに
載せたりはしていない。
それは、メジャー優勝確定を
即時に流さなければいけない、
という記事や投稿においても同様だ。
むしろいつも、
なんかめちゃくちゃクールな表情
(単に可愛いとかかっこいいとか
そういうんじゃなくファイターとして
気概を感じる写真も含め)を
使って記事や投稿をしている。
だから僕は
急いで撮って出ししなきゃだから
いちいち選別していられない、
ブスに撮れる写真もその中にはある
それを選んだのは編集だ、
という意見については
自分が選手のことをリスペクトして
たくさんクールな瞬間を撮って
信頼してデータをまんま送ったところ、
その中でもとびきり悪意のあるものを
記事の表紙やサムネに使われたら
普通、(嘘だろやめてくれよ)
と思うのではなかろうか?
それがカメラマンとしての
プロ意識なのではということである。
俺たちは即時性がいる世界で生きてて
被写体をとにかく撮影するだけで、
選ぶのは編集者の仕事。
そこから先を責めるのは
業界の実情やカメラマンを知らない人。
というのは、やはり
ご自身の仕事に責任感を
持っておられないのかなと感じる。