特別支援教育士資格取得を目指して ~体験レポート①~
この4月より特別支援教育士の資格取得を目指して、資格取得要件となるセミナーを毎月着々と受けていっています。特別支援教士とはどのような資格なのか、資格取得にあたりかかる費用、取り方など、これから資格取得を検討されている方に向けて説明していこうと思います。
特別支援教育士を取得しようと思った理由
臨床心理士・公認心理師として、巡回相談や療育など、特別支援の知識が必要とされる場で働くことが多く、独学で知識を身に着けてきました。ただ独学でしたので、知識の抜けがあるのではないかといった心配や、知識がごちゃついているような感覚もありました。特別支援教育士のカリキュラムは、特別支援について体系的に学べるような内容でしたので、抜けている知識の穴埋め、整理をしたくて受講したのが大きな理由です。
特別支援教育士とはどのような資格か?
特別支援教育士は、LDやADHDなどのアセスメントと指導の専門資格です。2001年3月より養成が始まり、現在の資格所有者数は5000人を超えます。元々はLDの子どもを支援するための資格としてスタートしましたが、その後ASDやADHDなどほかの発達障害の支援ニーズが増えたことから、「LDやADHDなどのアセスメントと個別の指導計画の立案と実施ができる人材。学校現場で教師や児童生徒をトータルに支援できる、心理と教育の専門資格」とされています。
資格取得までの道のり
①LD学会へ入会する
※特別支援教育士カリキュラム受講のためには、LD学会への入会が条件
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②受講登録
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③セミナー受講
※受講登録より3年間が期限。3年間のうちに36ポイントの取得が必要。
※毎月何科目か開講される。ひと月で取得できるのは3ポイントがMax。
※上手く受講してテストも合格できれば、1年間で30ポイントが取れる。
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④30ポイント取得後、実習指導
※2泊3日で、がっつりWISC-4の実施や解釈、フィードバックについて学ぶ。事前に2ケース、検査実施が必要
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⑤資格認定審査
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⑥資格登録
資格取得までにかかる費用
・LD学会入会費・年会費:14,000円
・養成セミナー受講登録料(3年間分):11,000円
・セミナー料金(トータル):132,000円
※セミナー毎に毎回テストがあり、そのテストに一発合格した場合。不合格だった場合は、再度受講料を支払って受け直す必要がある。
・テキスト代(トータル):テキスト3冊+WISC‐Ⅳ各種マニュアル=35,200円
※WISCのマニュアルは、指導実習の際に必須。テキスト3冊(9900円)はなくても受講できなくはないが、各回で受けるテストの合格のためにはあった方が有利。
・指導実習費用:46,000円 ※宿泊の場合、別途宿泊費
・資格試験受験料:1,1000円
・資格登録料:登録料(5年間分) 22,000円
会費 (5年間分) 10,000円
合計:281,200円
セミナー料金は受講するものだけ都度支払いなので、この金額が一括でかかるわけではないですが、トータルで30万弱必要です。テストに不合格になると再度その講座を受けなければならず、お金も時間もさらにかかることになります。
受講開始後2ヶ月時点での感想
現在までで、
「S.E.N.Sの役割と倫理」
「特別支援教育概論Ⅰ:発達障害の理解」
「心理検査法Ⅱ:発達障害に関連する心理検査」
「ソーシャルスキルの指導」
を受講し終わりました。
すでに知っている知識もありますが、「あ、これは初めて聞くぞ…!」と思うようなトピックもあり、受講の目的である“知識の穴埋め”は着実にされていると感じます。それと、毎回テストがあるため、その分必死にインプットされるのも、独学にはない良い点です。
心理検査法ⅡではK-ABCとDN-CASについて触れたのですが、これまであまり縁のなかった検査についてがっつり学べたのは良い機会でした。
今後まだ6ヶ月、受講は続きます。9月の受講を終えた時点での体験レポートを、またご報告したいと思います。