全然もうかってないけどほそぼそと受注している翻訳者の話 その6
今回は、子どもを保育園に入れると決め、入園→復帰→現在までの実績に至るところを書いてみます。
子どもを保育園に入れることに不安や葛藤もありましたが、悩んだ末に入園申請書を役所に提出。半年ほど待って「待機中」として持ち点が加算されたころに、ついに入園できることになりました。
入園後、子どもと自分の心身が新しい生活に慣れるのを待ちながら、本格的な復帰への準備を少しずつ進めていきました。休業中に引っ越しもしていたため、2年近くほとんど使うことさえなかったPCやプリンターや辞書など、まず仕事環境を整える必要がありました。出産以来、机の前にじっと座ることもほとんどなかったので、最初は座っていること自体にも疲れを感じたことを覚えています。そして、アメリアの翻訳お料理番や定例トライアルなど、短い量の翻訳に挑戦することで、少しずつ頭と体を慣らしていきました。
休業する前にお取引をしていた翻訳会社に復帰のご連絡をするときは、以前のお仕事からかなり期間があいていましたので、どのような流れになるかととても緊張しました。産前に数年間お取引をしている間に退職されたコーディネーターさんも何人かいらっしゃったので、そもそも送るメールが無事に届くかも心配でした。でも、定期的な案件を発注してくださっていたコーディネーターさんたち何人かにいざご連絡を差し上げたところ、みなさん私のことをはっきり覚えていてくださり、中には「復帰を待っていました!!」と返信をくださる方もいらっしゃいました。登録している翻訳者は数多くいると思うので、そんな中で2年以上も音沙汰のなかった一翻訳者を覚えていてくださったなんて…と思うと、涙腺がゆるみそうでした。ひとりひとりのお人柄ももちろんあると思いますが、企業カラーとして、このような温かい空気をお持ちの会社なのだと思います。
ご連絡をしてから少し間はあきましたが、しばらくして翻訳やチェックのお仕事をいただくことができました。それから今に至るまで、1カ月ほど音沙汰がなくなって「何か失敗をしてもう発注していただけないかも…」と不安に思う時期もありましたが、幸いなことにほぼ継続的にお仕事をいただいています。
先日、翻訳者もぐさんのサイトを参考に、復帰してからの翻訳実績表を作成してみました。
大まかなところをまとめると、
・約9カ月間の受注件数は全部で30件強
・分量としては、和訳が合計で約2万ワード、チェックが約13万字
・金額としては、子どもの保育料をちょうど半年分くらい補えた
といったところでした。
これが多いか少ないか、というと決して多くはないのですが、文字数にすると10万を超えていたところに「自分はこんなに積み重ねてきていたんだ」という小さな自信が芽生えました。
というわけで、このシリーズのタイトルの「全然もうかってないけど」という言葉はこれ以降取りまして、「ほそぼそと続けている」部分に力を入れていきたいと思います。不器用なりになんとか続けていることを大切に、焦らずたゆまず、少しずつ成長していきます。
世の中では器用でタフですぐに結果を出せる人が目立つかもしれませんが、どんな形であれ、がんばっている人みんなに幸あれ!と思っています。
お読みくださりありがとうございました。
[旧ブログ2021/4/18の記事より転載]
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