映画の感想「花束みたいな恋をした」
公開された当時に見たのですが、また見直してみました。
菅田将暉くん(麦くん)と有村架純ちゃん(絹ちゃん)、偶然に出会った大学生2人の5年間の物語。
これは、ぜひ色んな方に見てほしい~!!
幸せって何だろう? 価値観の違いとは……と考えさせられる作品でした。
誰かといっしょに見てその人の考え方を知るのもいいなって思います。
脚本が坂元裕二さんなので、台詞回しやモノローグがテンポ良くて楽しいです。
そういえば作品中にセリフで出てきたクーリンチェ少年殺人事件私も見てないな……テーマ的にはすごく気になっていたのですが、4時間の映画なのでなかなか。
以下ネタバレあり↓↓↓
この2人って学生のうちは楽しく恋愛しているのですが、社会人になるとすれ違ってしまう。
絹ちゃんは理想を追い求めたいタイプで麦くんは現実的なんですよね。
最初観た時は「好きなことやって楽しく生きたい」っていう絹ちゃんも「そうは言っても生活できないんじゃ仕方ない」っていう麦くんも、どっちの気持ちも分かるなって思いました。
でも、見直したら麦くんに肩入れしたくなってしまった。
めちゃくちゃいい彼氏なんですよね。
「僕の夢は絹ちゃんとの現状維持です」と言う麦くんは、結局彼女との生活のためにイラストレーターの夢を諦めてサラリーマンになります。
「好きなことしたい」と言う絹ちゃんに
「結婚しよう、家にいなよ。働かなくても家事なんてやらなくても、好きなことしてればいいじゃん」って言ってくれるんです。
優しい~!!
でも結局思ったのは、この2人って結局麦くんが頑張らないといっしょにいられない関係なのかなってことです。少し温度差があるというか。
麦くんは絹ちゃんといっしょにいることを最優先にしてこんなにも頑張ってきたのに大切にされているとは言えなくないですか?
絹ちゃんは麦くんとの生活が1番じゃなくて、自分の夢とか理想を追求していきたいんですよね。
絹ちゃんは簡単に浮気するし……観ていてそこがショックだった。
でも結局そういう関係性になったのって絹ちゃんは実家が裕福だからかな。
生活に余裕がないと夢を見ることは出来ないのかと思えて切なかったです。
私は新卒の時に忙しすぎて全然lineも返せず友達と疎遠になったりしたので、麦くんに感情移入してしまった。
残業しすぎて心が死んでくるとストーリー追う余裕がなくて本も読めないし映画も見られず、最終的にスマホゲームしか出来なくなるのはすごく分かる。
でもそういう状況になったことがない絹ちゃんからすると相手をもどかしく思うのも少し分かる気がします。
最後に麦くんは結婚しようと再び言い出すのですが、彼が提示するのは現実的な幸せなんですよね。
「手を繋いで家族で多摩川沿いを歩こう、ワンボックス買ってキャンプにもディズニーランドにも行こう」って。
恋愛が終わってしまっても、家族として愛を持って生きていこう、みたいな。
感動してしまうようなセリフで、これを言われて断るのは難しくない? って思った。
でも絹ちゃんは家庭という現実的な幸せではなくて、ずっと恋愛を続けるような理想の関係を求めているみたいなんです。
学生時代の幸せだった二人の姿を見ていただけに、すごく切ない終わり方でした……。
観ていて大学の友達とか、色んな人の姿が思い浮かびました。