ときどき日記(634)クレーム、カスハラ、行政対象暴力
昨今、カスハラがひどさを増している。だから世間でも問題視され、新聞でもときどき特集が組まれる。
以前はカスハラという言葉もなく、「クレーム」のなかに含まれるものであり、顧客サービスの世界ではいっとき「クレームは大事にしなければならない」とされていたぐらいだ。クレームを大事にしすぎるきらいもあった。
応対マナーの研修でもクレームの聞き取り方を教えたものだ。それが世間一般のルールとなり、顧客側が増長してしまったのが「カスハラ」の姿だ。
カスハラをされると、どうすれば相手が困るのか覚えてしまう。この苦しみを受けた側が顧客になったとき、その〝テクニック〟を使う。この悪の循環が世間で展開される。もはやクレームが姿を消し、カスハラへと姿形を変えたようだ。少なくとも受けたカスハラのテクニックを決して使わないようにしたい。
私は地方公務員の頃、許認可に関わる仕事をしたり、市民からお金を取り上げるようないわゆる権力行政に就いたことがある。こういう世界へは、カスハラを生業にしているような輩が現れる。マル暴やマル暴まがいの者たちが後を絶たなかった。
カスハラは気分さえ済めば収束するし、何か持たせて帰らせることもできるが、行政対象暴力を生業にしている者は利権やらを手にするまで引かないし、役所も慰撫するような代替物も持ち合わせていない。
一方、役所は警察を呼びたがらないし、警察を呼んだ職員を逆に注意したり、評価を下げたりする。
嫌な世の中になったものだ。
クレーマーが大きな声を出しただけで警察を呼べるようになったら、どれだけ働きやすいだろうか、どれだけ楽だろうか。
カスハラや行政対象暴力でメンタルを壊す被害者を根絶できる。