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2024年猟期の準備完了! 来週から猟に臨みます

今日はハンター雲です。

来週から猟期が始まります。
私の住む兵庫県は11/15から翌年3/15までです。
先日、猟友会の支部で講習を受けてきて、全ての準備が完了しました。

今回は、猟期前の支部での講習をベースに記事を書いてみました。

今年はツキノワグマは狩猟対象から外れました

1.狩猟とは何か?

狩猟とは、野生鳥獣を捕まえる活動です。
簡単にいうと「趣味です」です
狩猟を行うには、鳥獣保護管理法に基づく試験に合格して狩猟免許を取得し、狩猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。

狩猟の目的
・生態系のバランスを保つ
・農林水産業の被害を予防する
・生物多様性を保全する
・趣味としての楽しみ
・自然資源としての肉や皮の利用

まあ立派なことを言ってますが、普通の趣味との違いは、銃とか危険なものを使います。少しですが鹿や猪を捕獲して申請すると報奨金が出ます。
(良くも悪くもお金が絡むともめごとの種になります)
「2.有害鳥獣駆除て何?」で駆除料が頂けるのと似てますが、こちらは金額が少ないので1万円以下です。
これは猟師が減っているので野生動物が増えて被害が出るので、行政が報奨金を出して多く獲ってもらう施策があります。

2.有害鳥獣駆除て何?

有害鳥獣駆除とは、農作物や人間の生活に被害を与える鳥獣を捕獲して駆除することで、被害の防止や軽減を図る活動です。

ハンターの立場で簡単にいうと、「営利目的の活動」です。
行政から駆除料が頂けます。
被害の多い少ないによって被害箔額が違うので、都道府県で違いがありますがだいたい1頭5000円から30000万ぐらいです。
ガソリン代とか、罠、銃などの経費が掛かるので利益は微々たるものです。
好きだから駆除活動をやっている人が多いです。

趣味で行うのが、「狩猟」
行政からの依頼で行うのは「有害鳥獣駆除」です。
なぜ行政が駆除料を出すかというと、害獣被害が大きいので、被害を減らす対策のひとつとして、猟友会に依頼して駆除を行います。

毎年一冊この時期にもらいます
兵庫県は被害対策が効果を上げてますね!
実はハンターの人数は少しつづ増えてるのです
銃を保有している人は減る一方なので罠猟する人が増えているのですね
兵庫県は報奨金を増やすなどして捕獲数が高いのを維持してます
これは豚熱が猪にうつって激減しただけ、今年は猪多いと思います

行政て悪いことはめちゃめちゃ報道されてますが、良い行いは報道されません。
私の知る限り、狩猟で関わる県の職員さんは、気さくで仕事熱心な方ばかりです。
こうやって客観的な数値をみると、兵庫県の農林部門は結果を出してますね。
ちなみに私は県の職員ではなくて、民間の会社員です。
兵庫県の職員さんを褒めても、何の得にもならない立場ですので客観的事実を淡々と語ってます。

これは同時に配られた大日本猟友会の資料です
鹿の多い地域は赤い所です
増えてる場所は赤いです

ちなみに、なんで野生の猪や鹿の頭数の分布がわかると思いますか?
実は私たちハンターが狩猟に行ったら、報告しているのです!

これが記入のめんどくさい出猟カレンダーです

3.猟で獲っていい動物は?

タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(亜種ツシマテンを除く)、イタチ(オスに限る)、シベリアイタチ※(対馬では在来種で捕獲禁止)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ(注:雑種のイノブタを含む)、ニホンジカ(注:亜種のエゾシカ等を含む)、タイワンリス、シマリス(注:亜種のチョウセンシマリス)を含む。)、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ

たくさんいますが、狩猟では鹿、猪、熊以外は狙いません
鹿を狙う人が圧倒的に多いです。
次が猪です。
熊は禁止されている県が多いです。(兵庫県は今年熊は狩猟対象外)
理由は、繁殖力順です。

4.可愛い野生動物の命を奪うなんて可哀想

みんな人の子である以上、多かれ少なかれ、みんな可哀想と思ってます。

ハンターが撃った後に獲物を見て可哀想というと意味不明なことになります。みんな立場があるので可哀想とは言わないだけです。

動物園などで鹿を見ると可愛いと思ってます。

自分が撃った鹿や猪が血をだして息絶える姿は罪悪感もあります。
(慣れはありますので初めての時ほどではないです)

猟犬を指揮する勢子(せこ)は、犬と一緒に行動するのでしんどいです。なので獲物を逃がすと申し訳ないと凹みます。

都市部に住んでいる人は、野生動物の被害は受けたことないと思いますが。

一度、罠に掛かった猪をワイヤーから外して助けてみてください。
恐ろしい現実がわかります。
助けてもらった動物は恩を感じません。
助けようと近づくと、とんでもないことになります。
犬に噛まれるなどと、レベルが違います。
下手したら、足や手がなくなります。

熊、猪、鹿の戦闘力をなめてはいけません。
マスコミはスポーツ選手を霊長類最強と呼んだりしてましたが、強い人でも武器なしでヒグマとサシで戦って勝てるとは思えません。
クマのプーさんみたいな熊はいません。
狩猟とは、獲物との真剣勝負です。
動物は人間を敵と思ってます、やるかやられるかです。

クマと聞くと思いだします。
昔、メイドカフェに後輩に無理やり連れていかれて。
メイドさんがオムライスにケチャップでクマの絵を描いて、私に一緒に美味しくなーれと歌えと言ってきました。
アホか?本当のクマを知ってるのか!言えずに、一緒に美味しくなーれと歌いました。
プライドがズタズタになった変な思い出です。

話が脱線しました。

先ほどの内容で農林業の被害はいうまでもないのですが。
家庭菜園をやっている方て、精神的に相当な複雑な想いをしています。
家庭菜園は生活かかってない、趣味で野菜など畑で作っている思われがちですが。
被害を受けた方と会話してみたらわかります。
家庭菜園の目的は、自分が食べることより、子や孫、お世話になっている人に分けて食べて頂くことです。
自分のためだけに作っているのではないのです。
大事な人の喜ぶ顔が見たくて作っているのです。

別に野生動物全てを駆逐するのではなくて、一定数に保つのが目的なので、ハンターが減ると被害も増えるので、みんな極端な事は言わずに、ほどほどに折り合いをつけましょう。

まあ、銃を持って何人も車から降りで銃を持って山に登って行く姿は、住民の方が見ると怖いです。
昨今、銃を使った凶悪事件も起きてます。
本音は、自分の家の近くで銃を撃ってほしくないのはわかります。
それでも、駆除してくれるんだから、気持ちよく「いっぱい鹿がおって困っとるねん、いっぱい獲っててくれ」と声を掛けてくれる人もいます。

ベテラン猟師さんは、こういうときのアドリブが強いです。
私も気の利いた返しが出来るように頑張ります。

4.猟てどこでやるの?

白く塗ってない場所は狩猟可能です(近くに家がないければ)

こうやってみると面積でいうと兵庫県は狩猟していい場所が多いですよね
まあ、瀬戸内海に面する都市部は狩猟禁止の場所がほとんどです。

5.獲った獲物てどうするの?

獲った獲物はドッグフードになったり有効活用されます

狩猟でも有害鳥獣駆除でも獲物は持って帰って食べてもいいのです。
問題なのは捌く場所がないのです。
普通に家の庭で、鹿を逆さ吊りにして解体してると、近隣で大騒ぎになります。
山で解体するか、専用の山小屋を建てるかです。
私の所属する猪ハンターグループは、山を買って犬の訓練所や解体施設を保有してます。こんなグループはほぼないです。
まあ、基本的に処理施設に搬入して買い取ってもらうのが一般的です。

6.具体的に何が出来たら準備完了なの?


前提:銃の所持許可 (銃を使う場合のみ、3年ごとに再申請します)
   狩猟免許(3年に一回更新がいります)
   自動車免許(ほぼ必須)
   無線免許(銃猟では必須)

毎年やること
  警察に行って銃の改造などないか現物確認(4月に銃猟のみ)
  猟登録証の受け取り(10月末)
  安全講習(10月末任意)
  ハンター保険加入(10月末任意)
  猟期直前の射撃練習(銃猟のみ9月以降で狩猟までに必須)

7.今年は特別な準備しました

先日、有害鳥獣駆除で猪を外して逃げられました。

有害鳥獣駆除で逃げられた時の写真です

原因は2点
・銃が、整備しなくて連射できなかった
・スコープの中心と着弾ポイントがズレていて狙った所に当たらない

獲物を外して逃げられて、怒られたことはないです。
(腹の中では怒ってると感じることはあります 笑)
とにかく、外したときに無力感は強烈です。
当分凹みます。
時々、他の猟師さんに冗談で外したと言われます。
まあ、農家や家庭菜園やっている人の期待も背負っていますので、グサリときます

銃の整備後の確認を兼ねた練習行ってきました。

・ドットサイトと着弾場所合わせ
・銃に故障がないか確認
・30メートル先の的撃ちの練習
 ほとんどの射撃場は50m以上でしか的撃ちできません
 しかし、ショットガンでの銃猟は30メートル以内で狙撃します

※「兵庫県立総合射撃場」さんに特別な撮影許可を頂いて、猟銃での射撃練習を撮影さえて頂きました。

季節外れの台風の中、練習に行きました
スコープの中心と銃口から出るレザーポインタを一致させます
裸眼でみると、30mの的はこのぐらいの大きさです

獲物を外す度に、何度も猟をやめたいと思います。

負のスパイラルです。
いろんなこと考えます。
上手い人とは違うと。

サラリーマン猟師の価値順位(お前の2位は金だろと周りは言いますが、諸説あります)
1.人の命危険
2.恋人、家族、親友
3.金
4.猟以外の趣味
5.猪を仕留める

私が猪を逃がしてイヤミ言われた時に考える猟師さんの価値順位 笑
1.猪を仕留める
2.猟犬の安全
3.金
4.人の命危険
5.恋人、家族、親友

一頭でも仕留めると、こんなくだらんことは考えなくなります。
そのぐらい凹みます。
よって、今回は凹まないように獲ればいいのです。

獲れるようになる作戦を考えました

ちゃんとした教官の指導を受けてみる。

実は射撃場さんで、銃の技能向上のトレーニングをやってくれるそうで、受講しようと考えてます。

クレー射撃で近畿大会優勝者の職員さんがおられるで、ここの射撃場に行ったことない人でもおすすめです。

講師は、私の師匠と同じかそれ以上の実力ですね師匠に悪いですが受けよかな😆
枠を確認して受けます

長文最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回の動画は銃の動画ですが、私の動画では静的射撃は初です。
「兵庫県立総合射撃場」さんに特別な撮影許可を頂いて、猟銃での狙撃練習を撮影さえて頂きました。
狩猟を目的とした練習のための射撃場というのがよくわかります。
職員さんの経験が豊富で色々教えてくれます。
あなたの知らない世界と思って、標的射撃の舞台裏ぽいので面白いです。
13分の動画です

こちらは1分動画です






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