優先席とヘルプマーク ヘルプマーク編
悲しいことがあって落ち込んだりバタバタしてたら、約束の日を2日も過ぎてしまった。
見積もりが甘くてすみません!
へたに約束なんてするもんじゃないな!!
実は優先席ばかりでなくヘルプマークのお世話にもなっている。ヘルプマーク自体はいいアイデアだ。しかしまだまだ周知が足りないと思う。
それを証明するかのような出来事が火曜日の朝にあった。近くにいたご婦人がわたしの着けてるヘルプマークを指して、「すみません、これってなんのマークなんですか?」と訊いてきたのだ。出来すぎで作り話っぽいけど、ほんとに実話なのよこれが。
ほんとに不意打ちだったので面食らって「ヘルプマークといって、病気や内部障害を抱えているのを知らせるマークです」と正確でもなく分かりやすくもない答えを返してしまった。
もっと分かりやすく説明すればよかったなー。
東京都福祉局のサイトではヘルプマークを次のように説明している。(他の自治体サイトでも同じ説明が載ってるはず)
ヘルプマークの使用範囲が特定の疾病に限られていないことで、いろんな領域の病気や障害にまたがって使用できるのはありがたい。プライバシーを必要以上に明かすことなく優先席を必要だという意思表示ができる。それでいて、カードの表面に貼るシールや内側のメモにどういう援助を求めているか等書くこともできる。(書かなくても使える)
その柔軟さが濫用や悪用につながる可能性があるのは否めない。
たとえば、椎名林檎がヘルプマークを模したグッズを売ろうとした件なんてまさにそのケース。関係者やファンには申し訳ないけど、多分あの一件、あと10年は事あるごとに蒸し返されるだろうな…。わたしも中高時代は椎名林檎や東京事変がとても好きだったけど、あの件はやっていいおふざけとは思えなかった。
ただ、悪用される可能性があってもこの柔軟さを切実に必要とするひとはたくさんいる。だからヘルプマークを必要でないひともこのマークの意味と必要な支援を知っていてほしいし、善意をもっていてくれるともっと有難いなと思う。
かくいうわたしも最初はヘルプマークのことを全然知らなかった一人である。
ヘルプマークを身につけたひとが街中で困っているのを見て「あのマーク、見たことあるけど何の意味なんだっけ?」と家に帰ってから調べてマークの意味を知ったのは、ほんと苦い思い出。
ちなみに東京都福祉局のサイトによると、
とあるのだが、2017年から全国区のマークになった割には知られていない。火曜の朝のマダムだってご存じなかったし、優先席を占領して家のソファみたいにくつろいで座ってるファミリー観光客とかいちゃついてるカップルとか見かけるし、全然知名度低いよね?
昔はもう少し「席をゆずろう」みたいなポスターが駅なかにあったり、ACのCMとかあったような気がするけど、ヘルプマークに関してはそういう広告を全然見ない。マイナンバーカードやマイナ保険証のPR費の半分くらいをヘルプマーク普及プロジェクトに譲ってあげてほしい、もしそんなプロジェクトがあれば。
そんなわけで、東京都を皮切りにポスターからヘルプマークの広報を見てみることにした。風呂敷を広げすぎず、収拾つく程度に。
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さっそく、東京都が駅内などに貼ってるポスターデザインを見ていただきたい。
レイアウトはおしゃれ。ヘルプマークの赤と白、そして背景が灰色で。
しかしマークしか目立っておらず、説明する文章の文字が小さく読みづらい。マークの存在をインプットするには十分だけど、その役目や周囲が配慮すべきことがわからない。
ヘルプマークの説明ステッカーが貼られた窓を背に、杖をついたひとやヘルプマークをつけたひと(私ふくむ)をスルーして平気でスマホをいじり続けたり目の前で寝始めるひと、残念ながらたくさんいるんだよな…。
先日のことをつい思い出したのでここに書いておこう。
優先席に座ってたら、ヘルプマークをつけて近くに立ってたひとが途中からすごく具合悪そうな様子になった。自分は立つのが難しいから、優先席に座ってる他のひとたちが譲らないかずっとキョロキョロしてたのだが、皆スマホをいじって知らんぷり。でも本当に辛そうだったので席を譲ろうとしたら、そのひとはわたしのヘルプマークを見て苦しそうな息の下、
「ヘルプマークの人が席を譲っちゃいけないですよ」
と言った。
確かに…と思って「すみません」ともう一度着席。周りを見回すが誰も動こうとはしない。見えてたよね、今のやりとり!
ワンアクション起こせば隣の人たちも気づいてくれるかもしれないという期待もしてたのだが、結局最後まで全員無視。酷すぎるな…と思った出来事だった。
こんなふうにヘルプマークきっかけでお互いを労わりあうコミュニケーション自体は悪くないけれど、それで終わってしまったらなんの意味もない。だってヘルプマークは支援を求めるために着用してるんだから。
また話が逸れてしまった。
ちなみにこのデザインは東京都だけじゃなく他県でも使われている。各自治体の色が垣間見えておもしろい。
↑埼玉県はサイトの内容が充実してた。アンケートを行なってるらしいので、県民の方はぜひ。
それから神奈川のポスターは、英語の説明文も盛り込まれている。文字が多い分ゴチャついてはいるけれど、日本語がわからないひとにも同じポスターを使って伝えられる利点は強みともいえよう。
それからオリジナリティのあった京都府のポスターもご紹介。
全ての都道府県をチェックできたわけじゃないけど、オリジナリティが際立ったのはこの辺りかな。
あと、山口県では平成27年から独自のサポートマークを運用してたのだそう。(ヘルプマーク開始の平成24年当時はまだ都内のみの展開。)今はヘルプマークも導入しているようだけど、ヘルプマークの到来を待たず代替となるマークを作成してるのは結構すごいというか、重要性と需要をよくわかってる方がいたんだろうなあ。
↓ツイートがきっかけで知ったこのポスターもおしゃれだよね。
年齢や性別に関わらず援助を求めてる人の存在を可視化しているところがいい。このポスターも、字を読ませるのではなくビジュアルで大事なことを理解してもらえるようにしてるんだろうな。
それから、赤の補色に近い水色をメインに持ってくることでヘルプマークの赤色を際立たせてるところもいい。この水色自体きれいで爽やかな色だから目を惹きそう。人のためにデザインの力が発揮された、よい例なんじゃないかしら。
最後にもう一つは、大事な情報を堅実に盛り込んでる点でよかった岡崎市のポスター。
パッと見て理解できる感じではないものの、ここにいろんな大事な情報が盛り込まれている。これからヘルプマーク欲しい人もどこにいけばもらえるかがわかるのもグッドポイント。
だから最初見たとき、「ちょっとぶっきらぼうだけど実はいいやつ」みたいなポスターだと思った。
とにかく、このマークを必要としている人がたくさんいるということは、理解を必要としてる人たちがたくさんいるということだ。
だから周知するにあたってはある程度情報を盛り込んでほしい。おしゃれなデザインでも、ちょっと無骨なデザインでもいいからさ。
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少しでも健やかに、快適な温度で過ごしましょう。
今回の記事は、ヘルプマークをつけてるひとがこういう支援を求めてるんだよ!という内容を東京都福祉局のサイトから引用して結びたいと思います。
それではごきげんよう!