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8月3日 LCLの学び④ 概念型探究

四回目のLCLは概念型探究のお話でした。正直、概念型探究はこれまで学んできた中でも一番理解が難しい内容でした。今後、概念型探究の勉強会もあるようなので、じっくりと学んでいきたいと考えています。

今回は、本の中から私が必要だと思った情報を共有します。『思考する教室をつくる 概念型探究の実践』という本からの引用になります。

概念(concepts)とはトピックから引き出された「思考の構築物(mental construct)」で1~2語の単語(名詞)か名詞句で表現され、抽象的で、時を超越し、普遍性をもつ。概念は新たな状況や文脈に転移し、その例はさまざまであるが共通する特質をもっている。

『思考する教室をつくる 概念型探究の実践』

個人的な印象ですが、子どものやりたいことベースで探究を進めていくと、どうしても深まりがないような場面に出くわします。いい経験や体験をしているのですが、それが深い学びにつながらないといった事態です。

それを、ちょっと専門的な言葉で言うと、這いまわる経験主義といいます。活動あって学びなしという状態ですね。これだと、いくらそのテーマに沿ったがあっても、子どもたちが学びを深めるということができなくなってしまいます。

それはなぜでしょうか。それは、子どもたちが、つながりを感じていないからだと思います。物事と物事の繋がり。上記の引用の言葉で言うと、トピックにとどまっていて、概念化されていないということです。

概念化されるとどうなるか。引用にもある通り、概念化で得たものは普遍的なものになり、つながりが生まれます。物事と物事には共通するものがあり、それは転移していきます。その場だけではなく、様々な場面で応用できる力が身に付きます。

そう考えると、概念の力はすさまじいものだと思います。覚えなくてはならないことも、少なくなってくるでしょう。だからこそ、概念は大切だということはよく理解できます。

つまり、概念型探究のモデルにおいては帰納的アプローチが不可欠ということだ。では、帰納的な学習とはどのような特徴を持つのだろうか。帰納的アプローチにおいて、生徒は事例を扱いながらそれらの間の共通点を探し、一般化を構築して理解を統合する。(中略)このアプローチでは、生徒が思考を自分自身のものとしてとらえ、それに責任を持つということだ。

『思考する教室をつくる 概念型探究の実践』

演繹と帰納という言葉があります。概念型探究は帰納的アプローチが不可欠とのことです。帰納とは引用にあるように、様々な事例から共通点を見出し、一般化を目指していくものになります。

演繹はこれとは反対で、一般的な事象を証明するために事例を集めるアプローチになります。どちらも大切だとは思いますが、概念化するためには帰納的なアプローチが欠かせません。

教師が一歩的に教える授業は、演繹的なアプローチが多いのではないかと思います。まずは、教師が一般論を提示し、それに対しての確かさを確認するために、子どもたちが事例を集めるというスタイルです。

このやり方だと、子どもたちが共通点を見つけて思考を働かせる場面がないですよね。だからこそ概念型探究に必要なものは帰納的アプローチになります。

ただ、子どもたちに概念型探究を実装していくのは、ちょっと本を読んだ感じだととても難しそうです。でも、教師が概念型探究のエッセンスを知っておくのは非常に重要だと考えています。

まずは、教師が概念型探究をやってみる。そのあとに、子どもたちにだんだん教えていくといったスタイルがいいのではないかと考えています。

まだまだ、概念型探究の入り口にもいないと思うので、またがっつりと学んでいきます。


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