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宗教と政治

タケさんの新しい地理3
オヤジブログ怪気炎 vol.289

仏教を厚く信仰することによって、結果的に日本を中央集権国家に変えて行ったのは、聖徳太子から聖武天皇。それまではその地域の神様を信じていた人々が、全国統一のための世界宗教である仏教の教えによって仏様を信じ始める。奈良の大仏がその情宣に大きな効果をもたらしたのは、言うまでもありません。
所を変えて、ローマ帝国もゲルマンの諸民族をキリスト教の力で、教化しようとしていました。その方針はカール大帝からフランス王朝や神聖ローマ帝国に受け継がれていきます。王権がキリスト教を必要としていたので、当初は王権は教皇の下にあり、カノッサの屈辱のような状態でした。ところが王権側が教皇庁を移動させるアヴィニョン捕囚などの時期もあり、なかなか流動的です。
洋の東西を問わず、政治と宗教とはいえ持ちつ持たれつの関係でやって来たのです。
現在、宗教指導者と政治的なリーダーの境目が曖昧な国がある一方で、政教分離の原則を貫いている国もあります。
地理学習では、あまり宗教に深入りしない傾向がありますが、現在の複雑な世界を理解するために、宗教と国家の関係を学ぶことはとても重要だと考えます。

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