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贈与の基礎知識:今すぐ知っておきたい重要ポイント

「生前贈与」は、比較的、馴染みのある言葉として、多くの人々が日常的に使用していますが、その具体的な内容や税務上の影響について、詳しく理解している人は少ないかもしれません。
今回はまず「贈与」の基本的なことについて、理解を深めていただきたいと思います。
 
そもそも、「贈与」とはどのような行為を言うのでしょうか。
「贈与」とは、「自分(贈与者)の財産を無償で相手方(受贈者)に贈るという意思表示をして、相手方がこれを承認することによって成立する民法上の契約のこと」を言います。
 
贈与の意思表示は、口頭でも成立しますが、書面による契約が一般的です。
口頭の場合、将来相続が発生した際に、他の相続人との間で生前贈与の有無を巡ってトラブルになったり、税務調査で生前贈与と認められずに相続財産として相続税がかかってしまうこともあるからです。
贈与を行う際は、贈与の事実を証明できるよう贈与契約書などを取り交わし、書面での契約を行いましょう。
 
では、「贈与」について知っておいてほしいポイントを以下にお伝えします。
 
【贈与のメリット】
 
①相続税の節税
生前贈与を利用することで、相続時の財産総額を事前に減らし、結果として相続税の負担を軽減することができます。
 
②財産の円滑な移転
財産を生前に移転することにより、相続時のトラブルを未然に防ぎ、財産のスムーズな移転を実現します。これは家族間の紛争を防ぐ効果も期待できます。
 
③次世代の支援
贈与を活用して、子供や孫の生活を支援することが可能です。これには、教育や住宅の購入資金の援助など、具体的な生活支援の形が含まれます。
 
【贈与の注意点】
 
①意思表示の必要性
「贈与」は、贈与者と受贈者の意思表示(「あげます」「貰います」)が必須です。贈与者が認知症などで意思表示が出来ない場合には、贈与をすることはできません。
 
②子供名義の口座
親が子供名義の口座をつくり、そこに預金していた場合、子供がその預金の存在を知らなかったり、贈与されている事実を知らない場合には、贈与と認定されずに、相続発生時に相続財産とみなされる場合があります。
 
③贈与税の負担
贈与額が非課税枠を超える場合、贈与税の負担が発生します。事前に贈与税の計算を行い、税負担を考慮して贈与を計画することが重要です。
 
④贈与の撤回
贈与契約は基本的に撤回できません(民法550条)。もし、贈与を受けたものを返還する場合には、それも贈与扱いになるため、贈与税の対象になり得ます。
 
⑤みなし贈与
みなし贈与とは、形式的には贈与契約が成立していないにもかかわらず、税法上は贈与があったとみなされるケースのこと。これにより、通常の贈与と同様に贈与税が課されることがあるので注意が必要です。
 

⑤番目の「みなし贈与」に関しては、家族・夫婦・親子間で、よく見られるものですが、理解不足のため、気づかないうちに「贈与」と見なされている場合があります。以下に、具体的な例を3つご紹介します。
 
【みなし贈与になる例】
 
①家族間の土地建物の売買
家族間での土地や建物の売買が市場価格よりも著しく低い価格で行われた場合、その差額が贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。市場価格を調査し、適正な価格で売買契約を結ぶことが重要です。
 
②夫婦共有で土地建物を購入した際の名義比率
夫婦共有でマイホームを購入する際に、例えば、夫が90%、妻が10%の資金を提供しながら、名義を半分ずつにした場合、その差額がみなし贈与とされる可能性があります。
また、夫が妻との間でマイホーム購入のための住宅ローンを連帯債務で組む際に、実際の支払いは夫によって行われ、妻が支払いに寄与していない場合、支払われた金額が妻に対する贈与とみなされることがあります。実際の資金の出所と名義の比率が一致しない場合に特に注意が必要です。
 
③親子間の金銭の貸し借り
親が子に対して無利子または市場の利率よりも明らかに低い利率で貸し付ける場合、その利息の差額が贈与とみなされることがあります。
また、親が返済を免除する場合や、実際には返済が期待できない状況(例えば、子が返済能力を持たない場合)であるにもかかわらず貸し付けを行った場合、その貸し付けた金額全体が贈与とみなされることがあります。
 

「贈与」は、財産を生前に分散させる有効な手段ですが、適切な計画と手続きが必要です。
贈与税の制度を理解し、専門家の助言を受けながら贈与を進めることを推奨します。
 
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