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「二木先生」感想は"じっとり"


夫の母からおすすめされた「二木先生」を読み終えました。
読み込んだ、とはまだ言えない、1度目のザッと読みの感想を残します。
※ネタバレにならないよう細かいことには触れません


心地さゼロの没入感

そもそも私は、25歳を過ぎた辺りから学園モノの作品に感情移入が出来なくなっていました。
理由は自分の学生時代から色々と変わってしまったから。自分の知る学生生活と今とは別世界のように思えて、作品に入り込めなくなっていました。

でも、「二木先生」は自分が教室の中に居た感覚になりました。時代設定こそ明確にないものの、確実に"今"に近い物語。それなのに、読んでいる内にいつの間にかこの教室に私は居る
居たという表現でも良いかもしれません。
クラスメイトだったのか、はたまた隣のクラスで見聞きしていたか。

キラキラなんてしていない、10代特有の嫉妬や意地が足元で渦巻いていたあの時代。

心地良さなど1ミリもない。
息苦しさすらもよみがえる学生時代。

でも、だからこそなのか、読む手が止まらず後半〜最後までは2時間で読み切りました。
(夫は3日間で読み終えてました)

予測のつけられないストーリー展開

この本はどういう本か?と聞かれると、しっくりくる言葉が見つかりません。
読んでいる最中も、前半読み終えるまでは一体どんな話になるのか、何がこの本のゴールなのかが分からず、どこに向かってるんだろうと思ってました。

ずっと話は進んでいく、少し加速もする、後半で急にエンジンがかかる(そっちの方向に?という感覚)、3/4時点に来た時に猛スピードで今まで見えてなかった道にハンドルをきった

そんな感覚で、結局私は最後までこの物語がどう進んでいくのか分からぬまま、読み終えることとなりました。


明かされない色々

「二木先生」では要所要所で『どういうこと』『結局どうなったの』と思う出来事が起こります。
あくまでも私が疑問に感じ、明言されてないと思っていることは以下の通りです。

・クラスメイトの関係性
・クラスメイトの夢
・主人公の特性
・主人公の結果
・Nとは

もしかしたら読み返せば分かる事かもしれないですし、他の人の感想を読めば気付けることかもしれません。ただ、物語の中で『明確な答え』はあえて書かれていません。
それはきっと『明確な答え』を出したところで、主人公の人生にとっては何の影響も無いからなのだと思います。
それが分かったところで、何も変わらない。
だから、敢えて明言しなかったのかもしれないと思っています。


ハッピーエンド?

この物語がハッピーエンドかバッドエンドかと聞かれれば『ハッピーエンド?』が私の感想です。
主人公に起きたこと、今後起きうることを第三者目線からみればバッドエンド寄りです。
でも、物語の初めと最後の主人公の心境は随分と違っています。それは二木先生も同じです。
彼等の環境は良くない方向に変わってしまったかもしれません。
それでも、彼等はきっと今までよりも少し息のしやすい人生に変わったのでは、と思っています。

まとめ

今の私からは、力いっぱい「すごく面白い本だから是非読んでみて!!」とは言えない本です。
でも、うん、面白かった。好きかどうかは分からないけど良かったら読んでみて」というオススメの仕方が今はしっくりきています。

では、他の人の感想や考察を読んで、読み直しをしたいと思います。

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