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性別に悩んで、悩んで。

男の子が好き、自分は男でありたい、でも可愛い格好がしたい、かっこいい服装を着こなしてみたい、本気で人を好きになったことがない。

パンセクシャルで、男性寄りのエックスジェンダー?
ゲイで、FTM?
アセクシュアル?
自分がわからなくて、当てはめる言葉が見つからなくて、このどうしようもない感情を誰かに伝えることができなくて、すごく苦しんだ。
「自分は自分」「俺は俺」そんな簡単なことが、13の俺にはできなくて、
15の俺にもできなくて、答えを出すべきだとずっと思っていた。
16の俺には、これができる。
もう、誰かに伝える際まで正直に生きなくてもいいんだ。
「FTMなんだよね」って言いながら、「アセクシャルなんだよね」って言いながら、心の奥ではそれを否定して、自由に生きればいいじゃないか。
多少はモヤモヤもするでしょう。正直に生きないのだから。
誰かに好き勝手言われる材料を提供するわけだから。

でも、「自分は自分」だとして生きても、じゃあ心の性別とは?と疑問を持つ。
「女の子=スカートを履く」わけじゃなくて、「男の子=俺、僕という」わけじゃないのなら、じゃあその線引きってなんなのだろうと。
「女」と呼ばれることの何が自分を嫌な気持ちになるのだろうと考えてみた。
きっと、多分だけれど、
生物学的な身体の一部がすごく不快になることなのだと思う。
女という言葉を自分に使われただけで、胸の膨らみを想像する。
切り落としてしまいたいくらいに身体が気持ち悪くなる。

大浴場が苦手だ。
昔は、温泉なんて大好きな場所だったのに。
人と一緒に入る風呂が苦手だ。
修学旅行で、生理を言い訳にするくらいには。
女友達に悪ふざけで触られたり、事故でも触られるのが苦手だ。
気持ちが悪いと、思ってしまうから。
相手のことじゃなくて、自分のことでもなくって、身体が。
何年も一緒にいる体のはずなのにね。
ある時から、弟と風呂に入ることがなくなった。
ある時から、弟と俺の同級生が遊びながら入っている風呂に
一緒に入りたいなんて口にできなくなった。

ごめんね、お母さん。
泣かせてしまって。
ごめんね、ごめんなさい。
「生まれてこなければよかった」なんて、
「死んでしまいたい」だなんて、
あなたを追い詰めることばかりを口にした。
でもそうでもしないと、自分を保てなかった。
嫌いだと叱咤していないと、輪郭が掴めなくて。
ある人に影響を受けて、自分がそうなってしまったと弟は言ったけど、
俺もそうなのかとやっぱり自分を疑ってしまったけど。
実はずっと根底にあったもの。
男勝りな態度で友達に接していたら、それはおとこおんなっていうんだって。
ずっと実は悩んできたんだよ。
もういいかな、「ごめん」なんて謝らなくても。
悪いことなんて何もしてないよ。
人が感情を持つことが罪でないなら、
私だって何もしてないよ。
それだけで指を刺される毎日だけど、もういいかな。
何が悪いって平然と、当たり前を装うだけ装って、泣いている毎日だけど、
大人になったら、切り落としに行こう。
ブラなんて、ハサミで切り裂いて、生ゴミと共に捨ててしまおう。
もう必要ないよと、口付けを落として。

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