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不便さに美しさが宿る

最近、ポータブルCDプレーヤーを買った。
今の時代、スマートフォン1つあれば最新の曲も昔の曲も何から何まで聴ける。

それでも、なぜかCDをCDプレーヤーで聴きたくなった。特に、ブルーハーツが僕にこの感情を沸き立たせた気がする。

CDの場合、聴きたい曲を聴く時はこうだ。
まずはアルバムをCDボックスから漁る。
そして、やっとのことで見つけたお目当てのものを見つけると、パッケージをパカッと開けて、CDプレーヤーにセットする。
あとは、ヘッドフォンを耳に当て、セトリから曲の番号を見つけて、チェンジ。
こうして、やっと音楽を聞けるのだ。

こんな工程は、スマホの操作と比べると、随分と手間はかかる。
でも、身体中に正体不明の何かが流れ込んできて、癖になってしまう。

お父さんやお母さんが過ごした青春を
僕はこうして、また送り戻す。
まるで、スキップ機能のように前に戻すのだ。

この不便さは、ぼくの中に儚さと美しさを膨らませる。
それは身体中に40年ほど前のエネルギーを引っ張ってくる装置として、作用するようだ。

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