”思い通りにならない君をたまに僕はうっとうしく感じてる”
「ごめん。電気をつけて。あと、イヤホンを取って。」
「…。」
冷たく、薄暗い寝室。コンクリートで打ちっぱなしの部屋みたいに、寒々しい。物は少なく、照明も2つ。外は風がにおいを漂わせていて、風は窓に口づけをする。外と内を完全に分けるこの空間の構造はまるで地下室。もしくは監獄。そのように思えるこの部屋は、彼女の淡い空気のおかげで、いくらか程度を保っているようだった。
「早く。そこにあるから。」
「…。」
彼女は、さっぱりしたみずみずしさをどこかへ押しやって、ベッドから立ち上がり、