1人の時間の過ごし方を知ってしまったよね。
もうすぐで、大学に入学して1年が経つらしい。
1年前のぼくと、今のぼくはたぶん別人だと思う。それほどまでに、価値観にオペレーションが施された実感をある。
大学に入学してすぐの頃は、心の許せる友達を作れないことに焦りを感じていた。
お母さんやおばあちゃんは、「良い友達ができたか?」「友達が一番だから。」などとことあるごとに言ってきて、うんざりする。
入学前なんて、簡単に友達ができて、”大学生っぽい"暮らしが待っているんだろうな、なんて思っていたからなおさら。
友達候補を見つけては、近づいてみようとはするんだけど、心が拒んでいるのがわかる。
そもそもぼくの交友関係は狭く深くだから、性に合っていないっぽかった。
地元に帰った時や、地元の友達と旅行をするたびに、僕は別にこれ以上いらないかな、これ以上はないかなと感じる。
別に、友達ができない僕を悲観して、負け惜しみしているわけではない。
これから知り合って、仲良くなっていくフェーズに、地元の友達を越せるはずがないと思うから、そういう風に思ったんだと思う。
それから、一人音楽に、読書に、きれいな景色に耽る日々がしんなりと続く中で、ぼくの日常に他人が入り込む隙がなくなっているのに気付いた。
暇を見つけてすることが、あちらこちらにあって、むしろ時間が足りないほどになっている。
課題が終われば、夕日を見るために隣町まで自転車を漕ぐ。
バイト終わりには、近くの美術館に足を運んで、喫茶店に入る。
楽しみを見つけて、それをつかむことがうまくなった印象だ。
今の自分が楽しいと思うことに、目いっぱい、贅沢に、時間を使ってあげたい、そう思うようになった。
そういうわけで、こっちに友達がいないことに一粒の悩みもなくなった。
でも、この世に永遠なんてないし、しかも価値観なんてスライムみたいにすぐに変わってしまうものだから、変化を受け止める心構えはしておかないとなあ、なんて思ったりもする。
けど、まあいっか。
お母さん「仲いい友達はできた?」
ぼく「うん。とっても。」
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