君の見た空は青いか第14話
圭太side
あー…キスしちゃった。舞子とあれからバイバイして…記憶がない。
舞子「ごめんなさい!どうしても私の気持ち…行動で伝えたくて。我慢できなくて!ごめんなさい!!」
そういうと足早に帰っていったんだ。
家までは歩いて帰って。ついに俺にも春が来たなんて浮かれて…。
自宅に帰ってLINEみてゾッとしたんだ。
美紀さんからのLINE
俺…見られてた?美紀さんに…舞子とキスしてたこと。
嘘…つく?
いや嘘はよくない。ちゃんと言う?でも美紀さんを傷つけちゃう。
うーん…どうしよう?
気持ちが焦る。ヤバいことをした…
とりあえず返信する…?
『遅れてごめんなさい。公園にいたの見たんですね?』
もう暗に認めてるよね?でも仕方ないよね。
だって、事実は事実だし。
開き直るしかない
美紀から返信が
『見損ないました。あなた私に嘘ついて、他の女とデートした挙げ句にキスしたんですね』
全部お見通しってわけか。
圭太『あれは、いきなりのことで。私がすすんでしたことじゃありません。語弊を生みそうなんで説明させてください』
美紀『いいわけですか?良いですよ。裏切り者の言い訳聞かせてもらいましょうか?』
あぁ…怒ってる。完全に…事実を伝えるか
そうして、翌日
美紀と喫茶店で待ち合わせ。
圭太「おまたせ」
美紀「待ってないけど」
圭太「あぁ…ごめんなさい」
美紀「とりあえず言い訳とやらを聞かせてもらおうじゃない」
美紀side
一縷の望みにかけたい。私が彼に溺れる前に、振り回されないために。こいつが最低な男でない事を。
圭太「あの日、クリスマス…あなたの他にもう一人の女性に誘われました。その人はもう、予約したと言いました。だから行くことにして、美紀さんを悲しませない為に、出張と嘘をつきました。」
美紀「私も家でクリスマスの準備してたんですが?」
圭太「はい…」
美紀「あのキスはあんたなの?」
圭太「はい。その女性とは駅で解散する予定でした。なのに、公園に行こうと言われ、不意打ちでキスをされました。」
美紀「へぇー言い訳それで終わり?」
圭太「これ以上でも以下でもありません」
なんだろう…こいつ、私を心配する言葉が一言もなかった。事実だったか…
こんな男に恋したのか…男運無いな私。
美紀「圭太さ、私へ本当に申し訳ないと思ってる?」
圭太「はい」
美紀「言葉がすくねぇんだよ!!黙って聞いてりゃ!その女が悪い言い方してみたり、私に配慮はしたみたいな!結局てめぇのさじ加減だろ?」
圭太「仕方ない部分もあって…」
美紀はテーブルにあった水を圭太にかけた。
美紀「頭冷やせばーーーーか!!」
圭太「…」
美紀「女の子泣かすなバカヤロー!!」
泣きながら美紀は出ていった。
圭太side
店員「大丈夫ですか?おしぼりよかったら」
圭太「すいません…ありがとうございます」
やっぱりそうか。されて当然だよな。
美紀さんにはもう会えないかもな…。はは…舞子と向き合おうかな…。押し切られてしまった所で、もう決着ついてたかな…。
翌日
仕事に身が入らない。俺が悪いんだけど、美紀さんとの事が頭から離れない。LINEも来なくなったし、一緒に帰ることももちろん無くなった。
ミスも増えた。あれだけ順調だったのに。天気もこころなしか、曇や雨の日が続いている。俺の心のようだ。
はぁ…最低だ俺。自分でしたとはいえ…
残業…仕事が終わらない。明日までのプロジェクトが進んでいない。
パソコンの前、一人で作業する。
すると…
舞子「お疲れ様です!先日はありがとうございました」
舞子が来た。あなたのせいで…俺は美紀を失った。あのキスさえなければ。
圭太「今日は忙しいから帰ってほしい」
俺の精一杯
舞子「手伝えることあったら手伝いますよ」
もうやめてくれ
舞子「あっ、コーヒー入れてきます」
圭太「帰ってくれ!!一人で仕事がしたいから」
舞子は驚いた顔をしている。
舞子「わ、わかりました。帰ります」
舞子は帰っていった。
もうどうしたらいいんだよ。
仕事に集中する…時間は22時を過ぎていた。もう…こんな時間だ、帰るか。
一人で歩いて帰る。いつもの道さえ寂しく感じる。明日、仕事が終われば今年の出勤が終わる。
本当なら…美紀さんと初詣行く予定だったのにな。
鳴らないスマホを見る。誰も連絡はない。Xでも見てみるか…
ラジオパーソナリティマキのオールナイトスタジオ!
お、マキさんがやってるんだ。久しぶりに聞いてみようかな。
僕はそっとイヤホンを耳にさした
あの懐かしい声、あのマキさんから変わっていなかった。でも、前ほど好きな気持ちは薄れている。恋愛ごっこみたいなものをしたからかなぁ…罪悪感なのかなぁ…。
聴くのが辛かった。
途中で聴くのをやめてしまった。
あれ…俺って変わってしまった…?
優柔不断なことをしてるうちに…
えっ…
どうした?俺…
誰が好きなんだ俺は…