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連載「君の見た空は青いか」第2話
↑前話です。
第2話
圭太の脳内は、謎のマキによって支配されていた。仕事の書類も誤字脱字がおきて、上司に呼び出されて叱責されるようになった。
上司「圭太。お前らしくないじゃないか?大丈夫か?」
流石に、19歳の女の子に名前呼びされて、好かれたと勘違いして脳内がその子で満たされてますなんて言えたもんじゃない。
仕事してても、スマホが気になる。隠れて何度も通知がないか確認する。
「今日は晴天。お散歩日和。この後講義です」
お、更新されてる。そうか…大学生だもんね。講義があるか…。
あれ?…おれストーカーになってない?やばいやばい。
圭太だけ…
この言葉だけで人って狂うんだな。何回DMを確認しても…メッセージはない。それがもどかしいし、嫌だ。ええい送るか
圭太は自分のⅩページから
「先日はありがとうございました。あれから落ち着きましたでしょうか?」
だめかなぁ…。怖いなぁ…。
案の定返事はない。
返事がないまま10日が経った…。
やっぱりマキはみんなの人気者だもんね…。俺なんかになびくわけがない。
また同じ日常が続く。
あー疲れたな。牛丼でも食べて帰りますかね。そう思いながら歩いていると
ピロン
通知
マキさんから1件のメッセージ
マキからだ。俺は驚きを隠せなかった。マキから来た…。ついに来た。
「追いDMはやめてもらえませんか…」
「閉鎖してるので…もう送らないでください」
嫌なイメージしか湧かない。怖い…。
恐る恐る開く
「圭太さん。遅くなってごめんなさい。今度スペースをしようと思っているんです。よかったら共同でホストしませんか?」
ええ!?スペースってしゃべるやつ…。大丈夫なんかな…
でも、この機会を逃したら…マキさんにっ…うーん。圭太。ここでやらなきゃどうする。
「わかりました。やりましょう」
こうしてマキとスペースをすることになった。
返信した後…不安と緊張から解放された圭太は脱力感に苛まれていた。
気にしていないとは言うものの、やっぱり不安だった。それがこの1通のDMで変わったのだ。
また不安な毎日が始まると同時に、期待に胸を膨らませていた。