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連載「君の見た空は青いか」第12話
クリスマス一週間前。世の中はクリスマス色に染まっている。ケーキやチキン。イルミネーションの情報がテレビで流れている。
圭太「もうそんな時期か…」
クリスマスが日曜日ということもあり、仕事はない。もう「クリスマスに仕事なんだよね」が通用しない…悲しい性である。
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圭太side
舞子に少し気がある…気がするだけだけど。あの時の「また誘ってもいいですか?」は嘘じゃないよな。でも、流石にクリスマス誘うのは…ダメ…だよな?そんな事を悶々と考えながら。会社へ向かう。
会社についてから、携帯が気になる。舞子から何か連絡がないかを見てしまう。舞子と会社では会うが、何も言われない。そうだよね、舞子さんなら、だれか男性が居てもおかしくないよな。
会社から帰る直前
携帯のバイブが鳴った。
舞子からだった
『あの…24日空いてたりします…か?』
えっ!?来たよ。本当に来た。舞子だ、この日に誘うってことは…要はそういう事だよな…?行くか…行こうか…
でも、すぐ返すのはなんか小っ恥ずかしいから、家に帰ってからにしよう。
会社から出て、今日は美紀さんと帰る日だと気づく。
美紀との待ち合わせ場所へと向かう。繁忙期らしく、なかなか会えない日が続いていたが、こうして早く帰られる日だけは、2人で帰ると決めている。
圭太「お疲れ様です」
美紀「あ?圭太だ!お疲れ~ 」
会う度に仲良くになっていった。やっぱり美紀さんも、会うと綺麗だなぁって思ってしまう。以前の俺なら考えられないよほんと。
美紀「〇〇部長がうるさい訳よ!だからさ…あっ…」
圭太「もうお家ですね。」
美紀「まだ話終わってない…」
もう家?早くない?圭太と話してると直ぐに時間が経っちゃう。まだ帰りたくないな…。
圭太「いいですよ。話し終わるまで聞きますから」
美紀「え…ありがと。」
美紀(嬉しい///)
近くの公園で、缶コーヒーを片手に話す。美紀は日頃の愚痴を吐き出し、それを静かに聞く圭太。
圭太は美紀に肯定の言葉しかかけない。
美紀「はぁーすっきり。圭太に聞いてもらうとやっぱ良いわ。」
圭太「え?俺も美紀さんと話すと楽しいですよ」
美紀「…嬉しい」
圭太「え?なんて…?」
美紀「嬉しいの!!何度も言わせないで!恥ずかしいから。」
圭太「は…はい」
圭太(こういう所が好きなんだよね)
すると美紀は咄嗟に圭太へ抱きついた。
美紀「あのさ…寒いから温めてよ」
圭太「へっ!?」
急なことで慌てる圭太
圭太(あ…どうしよ…どうしてあげるのが…いいん…だろ?)
美紀「ねぇ…この後、私の家行かない?」
圭太「い…家!?」
携帯が鳴る、相手は「舞子」だ。
圭太「う…うん。ちょっと待って…」
頭の中に舞子が過ぎった。このまま流されてもいいの?大丈夫か?俺??舞子さんと美紀さん…どっちなんだ…
美紀「ご、ごめん//いや…だったよね?」
圭太「そういう訳じゃなくて…」
美紀「でも、びっくりしたよね。じゃあ、じゃあさ!24日私の家でクリスマス会しない?い…今じゃなくていいから…さ?返事待ってる。」
圭太「あ…う…うん…。」
美紀「返事待ってる!じゃーおやすみー」
美紀は足早に去っていった。
圭太「え…24日?」
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美紀side
私何やってんだろ…。なんで抱き着いたの?温めてって何?
あーあーやっちゃったぁ///圭太に合わせる顔が無い。やりすぎたよ…ね?勢いで。家に帰りベッドに横になるが、やっぱりドキドキは消えない。恋してんの…?私。やっぱり圭太さんが好きなんだ。
美紀のLINEには男性から来る、クリスマスのお誘いが並んでいた。どの人も返そうと思わなかった。圭太以外には興味がない…。
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舞子side
圭太さんにLINEしたい、クリスマスを一緒に過ごしたい。それだけを伝えたいのに…送信ボタンが押せずにいた。
仕事場ですれ違った時、言えば良かったかな。でも、言えなかった…でも言いたい。伝えたい気持ちが募る。もういい!送る。なんとかLINEを送ることが出来た。
仕事が終わる。圭太さんは急ぐように帰ってしまった。忙しいのかな…?会いたいなぁ…。携帯を何度確認しても返事は無い。
仕方ないと家に帰ってはみたけど…。やっぱり24日だけでも一緒に居たい。文章が打ってあるLINE画面に戻り。
舞子(我慢できない…)
圭太に追いLINEを送信した。
待っても返信が来ない。誰かと会ってるの?電話…する?迷惑かな。でも…でもっ。いいや!かけちゃえ!
繋がらない…やっぱり。誰かと会ってるんだよ…私バカみたい…なんでこんなに圭太さんの事を想うと胸が苦しくなるの?食事に1回行っただけなのに…
ガチャ
舞子(へぇっ!?出た…)
圭太『もしもし…』
舞子『こ、こんばんは…。あっ…すいません///あの…LINE見てもらてたかなって…電話しちゃい…ました。お忙しいですか?』
圭太『ごめんね、今用事終わったよ。24日ね…』
舞子『ダメですか…?』
圭太『えーっと…今さ、外で。また後で返事してもいいかな。寒くって』
舞子『ごめんなさい!早く帰ってお風呂はいってください』
圭太『ありがとう!じゃあまた後で』
電話は切れた。
やっぱり、即答できないのには理由があるのかな?他の女の子がいるのかな…不安。でも声聞けて嬉しかったなぁ…。
圭太side
なんとか誤魔化せたけど…2人から誘われてる。俺どうしたらいいんだよ…
どう返事したらいいんだよ。
頭の痛い夜が更けていくのであった。
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過去作 1話からお時間ある方!どうぞご覧ください
https://note.com/lucky_alpaca140/n/n9c58d50dec27
引き続きにはなりますが、一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします。スキ頂いた方本当にありがとうございました。