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クリスマスにやってきたサンタの涙~今日のカムカム

美都里さんが一瞬マリア様に見えた。
安子に辛辣な言葉をぶつけた彼女に
こんな風に泣かされるとは思わなかった。
月曜日だというのにこんなに泣かせて
どうするつもりなのよ朝ドラカムカム。

意味不明の八つ当たりをしたくなるほど
不意打ちの泣きの展開について
書かずにおれないので書きます。

さんたがきじまにやってきた

クリスマスに算太がやってきました。

クリスマスにやってくるサンタ、さんた、算太…

ってそういうこと!?
淡々とした城田優さんのナレーションに
思わずツッこみたくなる。

クリスマスの雉間にやってきたのは
安子のお兄ちゃん、算太(さんた)でした。

ジャングルで見たチャップリンの幻?に
戦争は終わったと教えられて帰ってきたと言います。

算太の心をとかしたのは「おかあさん」

思いがけず帰ってきたお兄ちゃんに心から喜ぶ安子。
だけどお兄ちゃんは相変わらずで。

雉間の家に嫁ぐなんてオレより策士じゃのう、なんて、まるで安子が玉の輿を狙って成功したような言い方をしたり、若いお手伝いの雪衣さんに言い寄ったりと、失礼な事ばかりして、さすがの安子も兄を叱責。

そこに現れた美都里さん。
何を言うのかと一瞬ドキッとした。

そっと算太を抱きしめて言う。

恋しいんじゃろ? お父さんとお母さんが。
会いとうて たまらんのじゃろ?

思いがけない言葉に、算太も本当の気持ちを吐露します。

今までさんざん迷惑かけてきたことを
父ちゃんと母ちゃんに謝りたかったこと。
家を飛び出して飛び込んだダンスの世界
自分のダンスを見てもらいたかったこと。

でも謝ることもできない
ダンスを見てもらうこともできない。

「ワシはもう何の気力もわかんのじゃ」

アホじゃねえ。生きとるだけでええんじゃ。
自分らが死んでもあんたが生きとりゃそれだけでええ。
お父さんもお母さんもそう思うとるんよ。

美都里さんもそう稔さんに声をかけたかったんだね。算太に声をかけながら稔さんに、自分に声をかけてるんだね。たまらないなあ。

ジャングルで見たのはチャップリンじゃなくておかあさん

クリスマスにやってきたサンタじゃなくて算太は、ジャングルで観たチャップリン(の幻)に戦争が終わったことを教えられたと安子に言ったけど、本当に見たのは、懐かしい実家のおはぎと、安子と算太の母小しずさんだった。

算太、よう生きとってくれたねえ。
お母さん、もうそれだけで充分じゃ。

算太のまぼろしなのか。
空にいる小しずさんが算太のもとに来てくれたのか。

ぽろぽろ涙をこぼして
おかあちゃんおかあちゃんと
子どものように泣きじゃくる算太。

お父ちゃんのおはぎ食べたかったよね。
お父ちゃんとお母ちゃんに ダンス見てもらいたかったよね。
お父ちゃんとお母ちゃんに謝りたかったよね。

でも伝えたい人はもういない。

美都里さんの言葉で
算太の中から気持ちがあふれ出した算太。
悪態もそんな気持ちに気づかれないための照れ隠しか
自分でも気持ちをどうしていいのかわからなかったのか。

算太の背中をぽんぽんする手。 だだっ子をあやすように優しい手、包み込むような優しいまなざし 美都里さんがマリアか菩薩に見える。

これが泣かずにおれようか。

疑っててごめんなさい

美都里さんが通せんぼしたとき、なんで稔がかえってこんのじゃと泣き崩れるんじゃないか?と思いました。 安子とるいが帰ってきた時もホントは安子が憎いのに無理してありがとうって言ったのかも、なんて。 そんな風に思ってごめんなさいと全力で謝りたいほど、ただ息子がいくて寂しくて哀しくてたまらない、ただのお母さんだった。

生きて帰ってきてくれてよかった。生きてるだけでいいんじゃ。「帰ってきた息子」を稔に重ねてるのかもしれないけど、美都里さんが抱えてきた想いが一瞬でわかる抱擁だった。

息子を殺したアメリカのことは受け入れられない美都里さんだけど、あの瞬間だけはマリアさまのように見えた。

息子のことを愛するあまり、戦死を安子のせいにしたり、酷い言葉を投げつけて「母さんのそういう態度がみんなを追い詰める」と、もうひとりの息子の勇に非難された美都里さん。その美都里さんの強すぎる愛情が、息子をなくして心身ともに弱ってしまうほどの愛情が「帰ってきた息子」算太の心を溶かすなんて。

こんな展開、全然予想してなかった
不意打ち終盤5分でこんなに泣かせるなんてズルいよ!
と冒頭の意味不明の八つ当たりをしてしまいたくなるわけです。

生きてるだけでじゅうぶんだから

安子、よう生きとってくれた。
お兄ちゃんこそ、生きとってよかった。
アホじゃねえ。生きとるだけでええんじゃ。
よう生きとってくれたねえ。
お母さんもうそれだけで充分じゃ。

生きてるだけでじゅうぶん。

ドラマの中で
何度も繰り返されるこの言葉が
胸に沁みる

お父さんは倒れたときに夢の中の算太に救われて。
算太はジャングルで見た小しずさんに救われて。
素直になれなかった算太は
息子への愛しかない美都里さんに救われて。

最初は響いてなかったように見えたけど
千吉さんが伝えた、金太父ちゃんの想いも届いたんじゃないかな。

クリスマスに帰ってきた算太(サンタ)にも
プレゼントが降ってきたね。
メリークリスマス。

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ふと思ったんだけど、夢か幻か母ちゃん小しずさんが現れなかったら 算太は小野田さんになっていた可能性もあるってことですよね…? 稔さんもどこかで生きててくれてくれないかなあ、なんてまだ願っています。

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後半のセリフを書き留めるために何度もそこだけ観てたんですが、観れば観るほど泣けてくる。ほんと月曜日からこんなに泣かされて、このあとどうなっちゃうのか。

そして昼カムして改めて思ったけど。 るいちゃん久しぶりに ぱあっと明るい笑顔が見れたね。 お母さんと一緒のクリスマス。 この想い出がるいちゃんにとって 心あたたまるお母さんとの想い出になりますように。

2021年12月13日(月)放送 第31回

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紫陽花@朝ドラ歴約40年(元エンタメ雑誌編集者)
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