#おむすびの本棚 『アルジャーノンに花束を』
どうもです、おむすびです。
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス 作)(小尾芙佐 訳)
を紹介します。
1959年に中編小説として発表されたのち1966年に長編小説に改作された、SF小説です。
あらすじ
32歳のチャーリイ・ゴートンは知的障害を持っていました。
そんな彼の元に大学の先生が現れます。
彼らはチャーリイの頭を良くしてくれるというのです!
手術をすれば“お利口”になれる、そう思った彼は研究に協力することに。
そこで出会った白ネズミ、アルジャーノンと一緒に彼の知能はみるみると上がっていきます。
“バカ”から“普通の人”、そして“天才”へ......。
変化していく彼の瞳から見る世界とは、感じた人間の感情とはなんだったのか。
経過報告という日記形式で描かれていきます。
感想
すごかった。うまく言い表せないけど、読んでよかったと思った。
この物語の魅力は、チャーリイという人物にあるんじゃないかなと思います。
知的障害を持っているチャーリイも人並み以上の知識を持ち合わせているチャーリイも、どちらもとっても純粋なんです。
物事の本質を捉えているというか。
自分で自分を騙そうとしたり、他人に対して威張っていたりすると、そうしていることに自分で気づくんです。
真っ直ぐに喜怒哀楽を感じている彼の姿に心揺さぶられました。
また、それは他人に対しても同じです。
だから世の中のおかしさや人間の汚らわしさに気づいてしまうのです。
そういう場面では何度も胸が締め付けられるような思いがしました。
気づかないうちに歪んだフィルターをかけた目で物事を見ていることって、あると思うんです。
ただそれは真実ではないから、私も世界や人間をありのままの目で見られる人でありたいなと思いました。
むすびの一言
自分の思い、考え、誰かの意見、経験、未来予測......。
いろんなものがゴチャゴチャして言葉にあらわすことができなくて、消化しきれずに心の中でわだかまっていることがたくさんあります。
そうすると私はなんだかイライラしたり、落ち込んだりしてしまうのです。
でもこの言葉で、無理にスッキリさせようとしなくていいんだと安心しました。
絡まったものは絡まったまま、そこにあることだけを受け止めてあげればいいんだな、と思いました。
最後まで読んでくれてありがとう!
ではでは、また〜。