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#おむすびの本棚 『三人屋』
おむすびの本棚では私が読んだ本を紹介します。
お気に入りの本とあなたがむすばれますように。
どーもー。おむすびです。
『三人屋』 (原田ひ香)
を紹介します。
おいしく泣ける、人情ドラマです。
あらすじ
街の商店街の真ん中あたりに位置する通称“三人屋”。
朝・昼・夜で営業形態が変わるちょっと変わった店。
朝は三女朝日の喫茶店でトーストとコーヒーのモーニング。
昼は次女まひるの讃岐うどん屋。
夜は夜月のスナックで白飯とぬか漬けが名物。
彼女たちの抱える痛み、怒り、悩みが店を訪れる人々によって徐々に明かされていく。
果たして店を続けていくことはできるのかーー⁉︎
感想
人は誰しも、安心できる帰る場所が欲しいんだと思います。
そして誰かに受け入れて、寄り添ってもらいたい。
“三人屋”はまさに街のみんなの帰る場所になっているなぁとほっこりしました。
だけど、店を経営する姉妹たちの“帰る場所”はーー。
三人ひとつの店舗で営業するくらいならよっぽど仲がいいんだろうと思っていたら、全然そんなことない。
ある程度大きくなってからはろくに話したこともない、なんなら顔を合わせれば喧嘩になるような仲でした。
彼女たちに共通するのはそれぞれに苦しい思いをしているくせに、相手を思ってそんな素振りを全く外に出さないこと。
だから距離がぎこちなくなっちゃったんだと思います。
だけど、共通点はそれだけじゃない。
自分たちを愛してくれた親に対する思い。
それだけは決して揺るがず、三姉妹を繋ぎ止めていました。
それさえも危うくなる出来事が起きるのですがーー。
ときにバラバラになることもあるけど、彼女たちは心の奥底でずっと繋がっているんだろうなと感じました。
むすびのひと言
・・・はっきりしない関係だっていっぱいあるんじゃないか、という気がしてくる。
まさに“三人屋”の三人は“姉妹”という型だけではない関係。
お互いに大好きだけどベタベタしていなくて、かといって無関心でもなく......。
よく考えたら関係って、ひとりひとりが持っている過去も違うし、築いていく過程も違うからひと言では言い表せないことが多いんじゃないかな。
だから普通の姉妹、普通の親友、普通の恋人でなくていい。
オリジナルな関係を愛していきたいと思いました。
ここまで読んでくれてありがとう!
ではでは。