見出し画像

思いを未来に残す【話すおむすびの本棚#13】


“話すおむすびの本棚”では私が最近読んだ本について好き勝手に紹介します。
なんでもアリな読書日記のようなものです。


どうもー、おむすびです。

今回紹介する本は、

『うらはぐさ風土記』(中島京子)

です。

30年ぶりにアメリカから日本に帰ってきて、学生時代を過ごした「うらはぐさ地区」に住むことになった沙希。
そこで出会う人々と毎日の暮らしがあたたかく描かれていく作品です。

物語の中でたびたび出てくる「うらはぐさの歴史」についての話題。
今ある土地の風景と昔の土地の風景が全く同じということはありませんよね。
畑だったり、工場だったり、土地にもさまざまに変化してきた歴史があります。
沙希も自分の記憶にある「うらはぐさ」と今の「うらはぐさ」はあまりにも変わっていて、自分のことを「浦島太郎、浦島花子、浦島沙希状態」だと表現しています。

読んでいて感じたことは、時が流れるということは新しいものは古く、古いものは新しく変化していくということ。
今の風景をそのまま未来に残したくても、変化には抗えない。
ただ、変化することで形を変えて残していけるものもある。
写真だったり言葉だったりに思いをのせて未来に残していく。
大事なのは“もの”ではなくそこにある“思い”で、それが伝われば十分なのではないかなと思いました。

今こうやって書いていることも、思いを言葉に変化させて未来に残すことですね!
読んだ方に何か感じるもの、得るものがあったらいいなと改めて思います。

穏やかでほっとする優しい作品でした。
気になった方は読んでみてくださいね。

それではまた〜!