韓国近現代美術を代表する画家・張旭鎭~「最も真剣な告白」at 国立現代美術館④~
過去3回に続き、今月まで国立現代美術館の徳寿宮館で開催されていた「最も真剣な告白:張旭鎭 回顧展(가장 진지한 고백: 장욱진 회고전)」についての記事です。最終回です。
※張旭鎭(장욱진/チャン・ウクジン)は韓国の近現代美術を代表する画家です。
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4番目の告白「心から描く絵」
(네 전째 고백 - 내 마음으로서 그리는 그림)
最後のセクションでは、1970年代以後の作品が展示されていました。
730点余に上る張旭鎭の油絵のうち約8割を占める580点余が、最後の15年間に描かれています。晩年期に多作になった理由は、描き方の変化に拠るところが大きいと言われています。《家族》に象徴されるような、1960年代までに多用されたマチエール(※)は姿を消し、絵の色層は薄くなり、水墨画や水彩画のようなさらっとした澄んだ質感が主となりました。結果的に、作品創りにかかる時間も減少したわけです。
そんな張旭鎭の最後の告白――。
それは彼の作品がそうであるように、純粋で、可愛らしく、しかし、仏教的哲学が染み渡った言葉でした。
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展示会以前、張旭鎭についてはほとんど何も知りませんでした。観たことのある絵画もほんの2,3点ほど。そんな張旭鎭独自の哲学と、ある意味で画家らしからぬ子どものような純粋で可愛らしい絵画は、韓国の近現代西洋画への興味をさらに掻き立ててくれるものでした。
本当に楽しい展示会だったなあ。
最後は、張旭鎭のこの言葉で締めくくりたいと思います。
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■■参考文献■■
韓国国立現代美術館『가장 진지한 고백: 장욱진 (1917-1990) 회고전 (The Most Honest Confession: Chan Ucchin Retrospective)』. 2023.
■■過去記事■■
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