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韓国料理#33.食わず嫌いだったチュオタン~ドジョウのスープ料理です~

 先日、初めてドジョウ汁を食べました。

 ドジョウ汁は韓国語でチュオタン(추어탕)といいます。チュオ(추어・鰍魚/鰌魚)が「ドジョウ」、タン(탕)が「汁、鍋、スープ」という意味です。ちなみに、ミクラジ(미쿠라지)もドジョウのことを指します。

 ドジョウはたんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミンA・B・Dなどを豊富に含む栄養食材です。しかも、低カロリー。古くから、スタミナ食材として広く親しまれています。

チュオタン(추어탕)

 チュオタンは地域によって作り方が異なります。

 南原(남원)、慶尚道(경상도)、ソウル(서울)、原州(원주)が有名で、南原と慶尚道は柔らかく煮込んだドジョウを骨ごとすりつぶしてスープにするスタイル、ソウルと原州はドジョウを丸ごと入れて煮込むスタイルです。

 わたしは、この「すりつぶす」作り方に抵抗がありました。姿が見えなくなるので食べやすいと言う人が多いのですが、むしろ、逆だろうと・・・。見た目も微妙ですし、臭みもありそう。ということで、今まで敬遠してきた料理です。

 それがここ最近は、食べてもいいかなと思うようになりました。

◆食べたのは南原式のチュオタン

 今回は、最もポピュラーな南原式のチュオタンをいただきました。

 南原式は、すりつぶしたドジョウに、干した大根の葉や青菜などを入れて煮込んで作ります。

 注文したのは、チュオタン定食です。

 チュオタンとご飯のほかに、キムチ、カクテキ、塩辛、ナムル、天ぷらの盛り合わせが付いてきます。

 ニラは、チュオタンに入れていただきます。よく浸して、しんなりさせた後にスープをひとくち――。

 なんと、とってもクリーミー!

 牛骨スープのようなクリーミーさがありました。ドジョウのくさみは一切なく、深くて香り豊かな味わいのスープで、予想以上の味でした。

 そのままでも十分おいしいのですが、お好みで青唐辛子、コショウ、山椒を入れます。青唐辛子は、ピリッとさせたい、またはさっぱりとしたスープが好みという方におすすめです。ただ、一番合うのはやはり山椒です。あの独特の爽やかな香りと、痺れる辛み。ドジョウとの相性は抜群ですね。

 さて、チュオタンにはドジョウを追加してもらいました。折角なので、すりつぶしていないドジョウも味わいたいですよね。

 ついさっきまで水槽で泳いでいたドジョウを使っているので、とても新鮮でした。弾力のある身と柔らかい骨。食感がプラスされ、食べ応えが増しました。

◆天ぷらもドジョウ

 ドジョウをまるまる揚げた天ぷらもおいしかったです。想像通り、裏切りのない味です。

 また、写真の手前に映っている揚げ餃子も、具にはドジョウを使っていました。ドジョウの餃子は初めて食べましたが、違和感ありません。それどころか、言われなければ、ドジョウを使っていると気づかなかったかも?

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 夏バテ防止にも効果的といわれるチュオタン。これからの季節にぴったりの韓国料理です。

 そうそう、全羅北道(전라복도)の南原には、チュオタンのお店が集まった「チュオタン通り(추어탕거리)」があります。ソウルでもおいしいですが、本場の味も気になります。

 いつか機会があれば・・・。

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