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階段を目指して山に行き、葵色の絨毯と薬水を見つけ、りんごワインを買った

 普段は座り仕事が中心で身体を使うことはないため、週に数回 YouTube を見ながら1時間程度ホームトレーニングをしたり、天気の良い日は外に出て10キロ程度のジョギング兼さんぽをしたりしています。

 始めた当初はそれで充分だと思っていました。

 実際身体が軽くなり、以前よりもぴょんぴょんと駆け回れるようになって満足でしたが、上り道や階段になると、すぐにハアハアと息を切らしてしまうのは変わりません。

 これではいかん。

 ということで、上る運動を増やそうと決意し、ソウル市内の鞍山アンサン(안산)に行ってきました。体力づくりが目的なので、今回はとにかく階段を上ります。


◆ただただ階段を行く1

そう、こういう階段をただ登りたかったのです。
 辺りを見回しながら、何処に行こうかと考えーー
橋を渡った先に階段が見えたので、この道を進むことにしました。
前日の雨のおかげで気温は高くはないものの、湿気があるためすぐに汗だくになりました。

◆葵色の絨毯

登っていくほどに増える淡い紫色ーー
こういう色を葵色(あおいいろ)と呼ぶそうですね。
葵という花から来たそうで、古くは平安時代から伝わる伝統色だとか。
そういえば、源氏物語にも葵の上という登場人物がいましたね。
紫色の正体はこちらです。
名前は分かりませんが、可愛らしいお花です。
最初から意図的にこれだけの花を植えたというよりは、限られた場所に植えていたものが、自然に広がっていったような印象を受けました。
まさに花の絨毯。
予期しなかった素敵な光景です。

◆ただただ階段を行く2

再び階段を上って行きます。
途中の景観にも癒されつつーー
さぁ、どんどん行くよ~!

◆どうやら薬水があるらしい

途中で「薬水(약수)」の表示を見つけました。
薬水とは書いて字の如く、薬のように病を治してくれる健康に良い湧き水です。
韓国で山を登ると、たまにこういう薬水に出逢います。
これは気になる。
ということで、行くしかありません。
薬水までの道のりも、やはり階段でした。
段々と近づいてきました。
・・・が、本当に、階段だらけ。
こちらは年季の入った階段です。
ここまで来ると、年季というよりは、もう使われていない疑惑が持たれますね。
コケがいっぱいコケコッコー。

◆気になるのは薬水よりもバドミントンコート

階段を登り切った先にあったのは、まさかのバドミントンコートでした。
「こんなところにあっても誰も使わないでしょ~。階段を相当登らないとと来れないよ? 着いた時には体力無くなってるんじゃない?」なんて思っていたら、定期的に利用されているようです。
その証拠に、木に掛けられたホワイトボードには「一緒に運動するメンバーを募集中です。性別や年齢は問いません。初心者の方も歓迎です。(電話番号)」とありました。
いやぁ、ここで運動って、すんげぇな。
コートに気を取られていましたが、その奥に、薬水はありました。
しかし、期待とは裏腹に、飲用禁止(음용금지)でした。
水質調査により飲用には適さないとの結果が複数回出たこと、また水源枯渇等の理由から水飲み場としては廃棄された、つまり元・薬水だそうです。
最初から飲むつもりはなかったものの、なんだか残念です。
それでも、バドミントンでひと汗かいた後にはさっぱりしそうですね。

◆次なる目標を発見

次は何処に行こうかと考えていましたが、ムアクジョン(무악정)に行くことにしました。
理由は、ムアクジョンが何か分からなかったからです。

◆また見つけた薬水

ーー途中、再び薬水を見つけました。
先程とは違い、この薬水場はとてもしっかり整備されています。
飲み水に違いない!
と期待しましたが、こちらも飲用禁止でした。
本来は飲み水として利用されているようですが、定期的に実施している水質調査で、今回は飲み水には適さないという結果が出たそうです。今後の調査で再び適合の結果が出れば、飲用可能になるそうです。
飲む気はないけれど、やっぱりざんねーん。

◆ムアクジョンに到着

再び山道を行きーー
視界が開けたその瞬間に現れたこの建物が、ムアクジョンでした。
東屋なので休憩場所として利用できます。
ムアクジョンを漢字で書くと「母岳亭」になります。
松との相性が抜群で、その鮮やかな色彩に、疲れが一気に吹き飛びます。

◆帰りも階段

ある程度満足したので、そろそろ帰ることにしました。
登山道は1つではありません。
舗装された道やそうでない道もあり、かなり細かく分かれています。
帰りは一番安全そうな道を選んで帰りました。
それでも、何となく勘を頼りに下りた結果、よく分からない場所に出てしまいました。
この方向に進んで行けばいつかは大通りに出るだろうと期待し、進みます。

◆お土産はりんごワイン

その結果、区庁に出ました。
どうやらこの日は全国の名産品を集めたマーケットを開いていたようです。
知っている場所に出た安心感と共に、疲れも忘れて、るんるん気分で回りました。
そして目を付けたのが、ワインです。
永同郡(영동군)で作られたぶどうワインとりんごワイン。
赤ワインは既に売り切れ、明日にならないと入らないと言われましたが、気になるのは飲んだことのないりんごワインです。試飲してみると、甘くて酸味が強く、でも飲みやすい味でした。
運動をしてテンションが高めなこともあり、1本購入です。
購入後に、「折角だから(試飲用に開けた)赤ワインも飲んでね。残すのもあれだからさ」と、赤ワインを注いでくれたご主人。写真OK(むしろ大歓迎)ということでスマホを向けると、笑顔でポーズしてくれたこの姿に癒され、家路につきました。
歩いた距離は約7キロ。
いつもよりは短かいものの、意外に長旅になったと感じたのは、満足感からかも知れません。
そして翌日には、強烈な筋肉痛が襲い掛かりました。
期待以上の激痛です。
やはり、こういう運動も必要のようですね。


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