#98 運動連鎖という考え方①
私たちの身体は、たくさんの
骨や筋肉、関節などの組織
から出来ております。
身体にみられる運動や姿勢保持・維持は、
必ず全身の連動性が必要になってきます。
起き上がる、立つ、歩くなどの
普段当たり前に行っている動作から
走る、投げる、打つ、蹴るなどの
スポーツ動作まで
人間のあらゆる動きは運動連鎖という形で
行われていることになります。
運動連鎖とは
一部の関節を動かすと
それに続いて隣接する関節も動き、
様々な場所に連鎖が起こることで身体が
動いていくことをいいます。
運動連鎖には下記の種類があります。
【下行性運動連鎖】
①骨盤前傾
②骨盤後傾
③骨盤前方回旋
④骨盤後方回旋
【上行性運動連鎖】
⑤足関節回内
⑥足関節回外
ここにあります上行性とは
下から上に向かって影響を及ぼすことで
足首の影響が膝や股関節、骨盤に
向かって上方へ向かって影響を
及ぼすことをいいます。
下行性とは
上から下に向かって影響を及ぼすことで、
骨盤の影響が股関節や膝関節を
下行し足関節まで影響を
及ぼすことをいいます。
今回の投稿では、下行性運動連鎖の
①、②を綴っていたいと思います。
下行性運動連鎖
①骨盤前傾
◆骨盤:前傾
◆股関節:屈曲、内転、内旋
◆大腿骨:後方、内側、内旋
◆膝関節:伸展、外反、外旋
◆脛骨:後方、内側、内旋
◆足関節:底屈、回内
◆前足部:回外
骨盤前傾が大きくなってしまいますと
膝関節伸展・外反・外旋方向への
負荷が増大してしまうため、
鵞足や側副靭帯などの膝関節内側組織への
伸張ストレスが増大してしまい、
鵞足炎などの機能障害を起こす
可能性があります。
下行性運動連鎖
②骨盤後傾
◆骨盤:後傾
◆股関節:伸展、外転、外旋
◆大腿骨:前方、外側、外旋
◆膝関節:屈曲、内反、内旋
◆脛骨:前方、外側、外旋
◆足関節:背屈、回外
◆前足部:回内
骨盤後傾が大きくなってしまいますと
膝関節屈曲・内反・内旋方向への負荷が
増大してしまうため、
鵞足や側副靭帯などの膝関節内側組織への
圧迫ストレスが増大してしまい、
O脚を伴う変形性膝関節症機能障害を
起こす可能性があります。
運動連鎖は非常に重要な概念であると
考えられます。
ただ、運動連鎖は一つの考え方であって、
すべての方に当てはまるとは限らないため
注意が必要となります。
人それぞれにその人なりの運動連鎖が
みられることになります。
運動連鎖という考え方を知ることで
先々に起こる可能性がある身体の変化に
気づくことができるかもしれません。
難しいかと思いますが、
頭の片隅に入れておいて
いただけると嬉しく思います。