音を放つ。遠くで音を聴く、聴く、聴く。
室内楽レッスンの大きな利点は弦楽器奏者のご指導を頂けることです。弦楽器はピアノと一番離れている楽器だと思いますし、しかも夢のようなメンバーである先生方は、ピアノソロのみの指導者とは違った表現をしてくださいます。
プロの弦奏者3人、室内学ピアニスト2人の5人体制でご指導頂いていて、私はトリオとデュオ、ピアノソロを学んでいるので5人それぞれの先生方からご指導を頂戴していて手厚いです。
来週の本番と来月の演奏会に向けて直前の直前まで探究を続けているところなのですが、ここ最近の弦との合わせレッスンでもピアノレッスンでも同じようなことを指摘されました。
大屋根全開して、その下で鳴っているピアノの響き。
『弦との響きの調和をよく聴けているから、もっと遠くにある音を聴いて。遠くに耳を置いて、そこにある弦の響きとの融合を聴いて欲しい。弦とのからみ具合だったり、和声のバランスだったり、絶妙に調整して』と。
もー楽しくて仕方ありません。
ピアノレッスンではこういう表現で受けました。
『響きを手放して、遠くで音を聴く。その響きの上に音を重ねていって』
響きを手放す。その上に音を重ねる。美しい表現です。
音楽を握っている左手の和声やバスの動きを解き放ち、その響きの中に右手の音を重ねると、とてもきれいなんです。
あと重要なのは、パートナーに放つので、音を渡す気持ち。思いやりを持って渡したいです。
はい、どうぞ。ポーーーン…
そうやってイメージすると、ふわぁと音が放たれて、上の方で解放された音が響いているのが聴こえるし、パートナーに届くのが見えるようなんです。
イメージってすごいですよね。
オーロラ色の音を目指して、その響きの中に音を包み込ませたり、重ねたり。
練習しながら、響きを手放すって、『本心からの素直な願いを勇気を出して思い切って解き放つのと同じみたい』と気付きました。
なるほどなー。
あるある、斜め上のそこにあるのを確かに感じるぞ。
放たないと届かない。
響きを掴んだままでいないで、心に願いを留めていないで、放とう。改めてそう思いました。
好きで好きでたまらない弦楽器…なんとしても弦楽器との演奏活動をしたいです。
トリオもデュオも対等なのが良いんです。追随とか伴奏とか、そういう考え方ではなく、対等。私は器楽と室内楽をします。解き放つぞ。