「ゼルダ」で移動の価値に気付いた
最近、任天堂Switchの「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(BotW)」にハマっている。2017年発売のゲームだから、かなり今更なプレイではあるのだが、歴代最高のゲームのうちの一つと評される通りで、凄く楽しんでプレイさせてもらっている。
BotWの何が魅力的なのか?
最も魅力的だと思う点は、作りこまれたオープンエアー性である。壁、柱、山、水、樹木など、目に見えるところにすべて行けるという自由度の高さが凄い。ゼルダというファンタジーな世界だからこそ、砂漠、氷河、火山等の多様な地形が隣接していても違和感がない。アサシンクリードやGTAのようなリアルな都市を描くゲームには出きない、地域の多様性のシームレスな表現、それでいて自然・生物の丁寧な描写はBotWの最も素晴らしいところであると思う。
BotWでは、24時間が現実の24分に対応している。ゲームに登場する住人は、それぞれその時間に沿ったライフスタイルを送っている。ストーリーを無視してある一人の住民を追いかけていくと、朝8:00に起床し、家を出て、仕事をし、夕方には帰宅し、夜に眠る、という生活を送っているのが観察できる。全てのキャラクターが、それぞれの生活を勝手に送っているというのが、大変細かく作りこまれている。雨が降ったら近場の建物の陰に走っていったりする。
「ただ移動する」という楽しさ
BotWはあまりにも広大なマップであるがゆえに、何もない草原、山道も多い。ゲームのフィールドでは通常「何か」がある(敵とか、アイテムとか)。景色が綺麗で移り変わっていくからこそ、何もない場所をただ走り回ることに楽しみを見出せるというのがこのゲームの特殊なところだと思う。
「移動時間」というのは無駄だといわれがちだ。特に、通勤/通学時間は無駄だから、短い方がいいと言っている人が多い感じがする。でも、何もない移動の時間にこそ、価値があるのだとも思う。色々モノや情報で溢れかえっている世界の中で、一回間を置く時間というか。やらなければならないことから一回距離を置いて、自分の考えに向き合うことのできる時間というか。携帯で言うと、スリープモード。
移動の中で自然を見つめる、そして自分を見つめるという機会が少しずつ減ってきている寂しさをBotWで埋めている毎日だ。
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