思い出の味って?
よくテレビなどで「あなたの思い出の味ってなんですか?」みたいな質問あるけど、自分にとっての思い出の味が何かと聞かれたら困る。これだ!と言えるようなものがなかった。正しくは見つからなかった。
オードリーでいうと長楽のポークライスが思い出の味にあたるのだろうか。
東京ドームライブでは春日がその味の再現(長楽というお店は閉店してしまったため)に成功して、会場を大いに盛り上げた。そこまで追い求めるような味が自分にはない、と少し寂しい思いにもなった。
そんな私にも一つ思い出の味が見つかった。
それは
ほっともっとののり弁である。
共感してくれる方も一定数いる気がする。
私は大学生の頃(2006年〜)から社会人になってもよく食べていた。
弁当の中身としては、白米の上に海苔、白身魚のフライにちくわの磯辺揚げ、きんぴらごぼうにたくあんもついてリーズナブルな価格だった。
当時いくらぐらいだったのだろう?と気になり、ネットで調べたらこれまでの料金の推移が出てきた。
2008年当時は税込290円って…!!!!!
随分と生活は助けられていたのかもしれない。
どんな時に食べていたのか、薄らとした記憶を手繰り寄せると大学の部活の夏合宿でよく食べていたことを思い出す。
合宿を大学構内でしていたため1年生の頃は、駅の近くのほっともっとまで自転車で向かい、先輩の分も含めて買っていた。練習で疲れていたし、お腹も空いていたこともあるかもしれないが、無性に美味しかった。
他にも、社会人になった時は会社の研修でお昼に出てきたこともあった。今振り返ると、「しけてるなぁ〜もっと良いの出せよぉ〜」と悪態ついてしまいそうだが、当時の私は心躍っていたのだろう。
さらに、のり弁の進化系である"特のりタル弁当"の時は歓喜の舞であった。
ちくわの磯辺揚げがないにせよ、唐揚げ、メンチカツがつくのである。
ちくわの磯辺揚げ OUT
唐揚げ、メンチカツ IN である。
名監督の采配である。
転職して、営業の仕事に就いてからも時々食べることはあった。が、ここ5、6年は食べた記憶がない。いつからあいつと疎遠になったのだろう。自身の生活環境にほっともっとがなかったからだろうか。"いい歳して、のり弁って!"という自意識があったからだろうか(そんなものはなさそうだが…)
つい先日、私の人生に大きなインパクトを与えた毎年恒例で開催されていたイベントが今回を最後に終わることを知った。(このイベントについては後日書きたいと思う)
そういった今まであったものが無くなると当時のことをオート(自動)で振り返るのは人間という生き物に埋め込まれた1つの機能なのかもしれないと思う。正常に機能して、私は当時を振り返る。
やっぱりのり弁食ってるじゃねぇか!!!
私の思い出にはもれなくのり弁お付けします、というキャンペーンが行われているのだろうか笑
そんなことを思いながら、自転車を漕いでいたら帰りの道中に「ほっともっと」があった。これまで無意識下にあったお店は実はすぐ近くにあったようだ。私が昔を振り返ったからそこに現れたかのような錯覚に襲われる。
店の前で、自転車を止めて、外に置いてあるメニューに目をやる。「のり弁当」「特のりタル弁当」の懐かしの名前が載っている。
私はレジに向かい、注文した。
全部のせのり弁当、1つください。
思い出の味が全部全部詰まった弁当である。
当時こんな弁当なかったはず。ネットで調べたら、2022年8月18日に新メニューとして販売開始されていた。
俺の知らない間に勝手にオールスター感謝祭を開催してやがった。
家に帰って、蓋を開けたらみんなそこにいた。
一口食べたら、いろんな記憶や思い出が蘇る。これが思い出の味ってやつか〜……。
深い思い出ではないけれど、常に自分の思い出に入り込むのり弁当。今後食べ続けたらそれは"生活"になってしまう気がするから、また妙に距離を取ってしまいたくなる。
いい距離を保って、時々味わうのが思い出の味だと勝手に定義づけしてしまう。
また会おうや!のり弁よ!