見出し画像

大切にされている

皆さんは止め処なく流れる日々の中でどのようなものを大切に考え過ごしているだろうか.今,自分自身と向き合う時間が多いこの時に,僕と一緒に大切なものについて考えてはみませんか.


もし,大切なものは何?と聞かれたら何を思うだろうか.大抵は人物やものであったり,人によっては考え方や概念などもあるかもしれない.そんな多くの種類があげられる大切なものの中で,僕が大切にしているものは僕のことを毎日「大切に思ってくれている人たち」である.正確に言うと大切にしたいものという表現の方が正しくもあるが.

わざわざ表現を変えた理由は僕の過去にある.僕は幸せなことに今まで周りの人には恵まれてきた方だと感じる.家族とあまり中がよくなくもそれなりの生活を過ごせてきた.それは紛れもなく幸せなことである.それなのにいつも僕はないものねだりをしてしまう.他人の幸せの在り方ばかりに気を取られ,自分が幸せであるということを忘れてしまう.そして僕は僕のことを大切に思い幸せにしてくれている人のことを,蔑ろにして自分のことしか考えることができていない行動ばかりしてしまう.僕はそのようなことを幾度となく繰り返しては本当に大切にすべき人を失ってきた.中学校や高校,一番直近である大学でも.新しい出会いのたびに必ずと言っていいほど自分のことを大切に思ってくれる人に出会える.だが,僕はそのような存在を,また等閑にしてしまうのだ.そのようなことを繰り返し失ったものたちが僕の足元には積み重なっている.それに気づいて心に存在するものといったら忸怩たる思いと懺悔の気持ち,この二つしかありえない.僕はここまでの人生でそのようなことに気づけた.そしてこの先過ちを繰り返さないようにする.


僕のような過ちを繰り返さずに生きていける人はたくさんいるだろう.だが,誰にでも起こりうるものだとは思う.そして,皆さんにはこんな思いをしてほしくない.人生で出会う数少ない人の中に,それよりもっと数少ない自分のことを大事に思ってくれている人がいる.この機会に考えてほしい.いつも頼りなく危なっかしい僕のことを気にかけてくれるあいつ,誰よりも僕の笑顔のために楽しい方に連れて行ってくれるあの子,僕をたびたび遊びに誘ってくれたくさんの思い出を共有したあいつ.これらはもう僕が失ったものの一部である.  思うことはたくさんある.でも何より思うのは皆さんに同じ思いをしてほしくないということだ.あなたの傍には必ずあなたを大切に思ってくれている人がいる.そのような存在は必ずいる.僕にもいる.まだ失っていないものもたくさん存在する.あなたは気づかないうちにたくさんの人に大切にされている.その存在に気づき大切にしてほしい.僕のように失う前に.  今あなたが大切にしているものと一緒に.

いいなと思ったら応援しよう!