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一生涯サーファー。サーファーは人種なんだ。誰もがうたがわなかった。しかしGetしたのは脳出血という名の波だった。私はサーフィンを封印した。
サーフィンは生活の中心だったといっても過言ではない。
私なりのサーフィンの武勇伝は数知れない。
サーファーという人種の我が家の王様だった主人が言った一言。
「おまえには海に浮かんで見上げた時の空の素晴らしさはわからないだろうな」
切り離された感じがして悲しかった。一緒に感じたかった。
そして始めたサーフィン。子育てを終え40歳デビュー。夫のショートボードとウエットを借りてコツコツと3年でボードに立つことができ、10年で何とか横に滑れるようになりました。突っ込んで突っ込んで、大きな波にまかれ、カレントにながされ根性で頑張ったサーフィンは、楽しくて楽しくて5時間も6時間も入り続けました。最近は夫に本当にうまくなったなとほめてもらい....やっと自信をもって青い空を自分の手に入れた気分でした。
青く澄み渡る素晴らしい空、夕暮れ時の哀愁のある空、ずっと一緒に見上げていけると思っていました。
海での時間は夫と積み上げてきたものでした。雨の日も雪の日も一緒に入ったからこそ頑張れたし楽しかった。
夫は脳出血のチューブに入ってしまった。Get out してこれるのだろうか。その日まで....私はサーフィンを封印した。