淡い地、至上の時 〜文芸学部を想ふ〜
「文芸学部は土臭く」
近畿大学文芸学部の初代学長・後藤明生の口癖だったらしい。
その言葉の通り、余りにも土着的に、遠回りをしながら、やっと一つの解に辿り着いたような心地である。奥泉はああ言ってはいたものの、文学という無用なアカデミック(文学部生がこんな事を言うと、本末転倒だが)の登竜門を登る事に、少し危機感を覚えた自分もいた。故に、中学時代はアホほど惚れ込んでいた情報系の道に戻る事にした訳である。
しかし、文芸学部は奇妙な学部である。作家が書き方を教えると言う、海外の大学