#7アダプテーション・ゲーム その2
アダプテーション・ゲームの第二回目です。
従来の体育授業では、試合において、「勝負に勝つこと」が目的化されることが多くなっているように感じます。
実際に、生徒に何も指示せずに、試合を行うと
「勝ち」
ということを目的にしようとする傾向があります。
それに関しては、「体育が好きな生徒=体育が得意な生徒」が大半を占めるクラスでは仕方ないと思います。
また、試合をする上で「勝敗」を意識することは大切な要素の一つと言えます。
しかし、
「果たして、それで全ての生徒の学びにつながるのだろうか?」
と考えることも、あわせて考える必要もあると思います。
実際に試合をする上で、「勝つこと」が最大の目的になった時、
一番手っ取り早いのは
「できない奴がいなくなること」
となってしまいます。これは、「自分が運動が得意でない生徒自身」が特に感じていることです。
そうなると、その生徒が考えることは
「邪魔をしない」「相手の陰に隠れる」ということになります。
「豊かなスポーツライフ」からは程遠くなってしまいます。
そもそも、楽しいとは、どういう状況なのか・・・。
4月の体育の一番最初の授業に、
「できる」と「できない」の間を楽しんで欲しい。
「できる」ことばっかりが好きな人は家で一生「1足す1は2」と言ってニヤニヤしておいてください。
「できない」ことが「できる」ようになった時、それが成長した時です。今年1年間全員で成長しましょう。
実際に、ギリギリできないことができるようになった時に、脳の快楽物質のドーパミンがもっとも多く出ることは脳科学的にも証明されています。
そのために、授業者ができることは
①生徒の「できること」を増やすこと
と
②生徒の「できる場面」を増やすこと
が大半となります。
そこで、
「アダプテーション・ゲーム」
の登場です。
次回から、実際に全ての学習者が全力で学びに向かうことができるアダプテーション・ゲームの具体的な内容をまとめていこうと思います。