携帯電話依存症だった私。
統合失調症になった頃、とにかく、夜、眠くならなくて、
夜中の3時頃、ウトウト始まって、昼に起きる、という生活をしていた。
その、眠れない間、初めは、本を読んだり、ゲームをしたりしていたが、
ある日、ふと、気になっていた、歌手について、ネットで調べた。
すると、今まで知らなかったことが、次々と出てきた。
出身地、本名、出身校、etc。
そこから、どんどんと、深みにハマっていった。
その歌手についての噂や、曲の感想を書くコミュニティを覗くようになり、自分は書き込むだけの知識がないので読むだけだが、そういったコミュニティを、いくつも見つけて、読み漁る毎日。
また、Aという意見に対して、違う、Bだ、という意見もあって、それを読むのも面白かった。
それだけだったら、まだ良かったかもしれない。
しかし、私は、のめり込むあまり、
やらなくてはいけないことがあるにも関わらず、携帯電話をいじり続けた。
例えば、食器を洗うのは、私が担当していたが、それも、やらなくなり、母がやるようになった。
部屋の片付け、洗濯物の取り込み、等、
任されていることのほとんどをやらなくなった。
同居していた両親は、病気だから、と思っていたようで、特に何も言われなかった。
それが、拍車をかけた。
食事、身支度、お風呂以外、ずっと携帯電話をいじり続け、
何かしら、調べたり、動画を観たりしていた。
すると、ある月の料金請求額が、
8万6000円
だった。
こうなる前は、1万円未満だったのに。
そこで、目が覚めた。
私が取った対処法は、まず、小さな箱を用意し、朝起きたら、その箱に携帯電話を入れる。
そして、目につかない場所に置く。
もし、電話やメールの音がしたら、
箱から取り出し、対応して、また箱に戻す。
そうやって、携帯電話と距離を置いた。
初めは、ソワソワして、落ち着かない。
そこを、グッと我慢して、本を読んだり、
ゲームをしたりと、元々やっていたことに取り組んだ。
初めは上手くいかないこともあった。
つい、自分から、箱を置いた部屋へ向かい、箱を開けてしまう。
しかし、そのうちに、携帯電話を常時触っていなくても、不自由はないし、
他に面白いことがある、と気づき始めた。
というよりは、その感覚を取り戻していった、という感じだ。
子供の頃は、携帯電話を持っていない。
でも、何とか過ごしていた。
それは、読書や、絵を描くこと、音楽を聴くこと、で、満たされていたからだ。
それを、携帯電話依存症から脱却するために、
実践していった。
そして、次第に、箱に入れて、隣に置いても、必要な時以外は全く手を伸ばすことがなくなった。
その間、携帯電話の請求額は下がり続け、
依存症になる前までに戻っていた。
何であんなに、携帯電話に固執していたんだろう。
そう思うようになっていた。
知らないことを知る喜びがあるのも、携帯電話の魅力だが、それも、過ぎれば毒だ。
私は、こうして、携帯電話依存症を脱却した。
もし、今、依存症の方が、この記事を読んでくださったのなら、試してみて頂きたい。