プレゼント
こうくんに会うのは1年ぶりだった。
このLINEが来たのも去年の夏の終わり。
たまにやりとりしていたけど、
彼が近くにいる時は会ったり出来なかった。
私って結構一途なの。
ていうか、満たされてると他の人に会いたくなくなるものなのよね、、ほんと不思議。
1年ぶりなんて、大丈夫かしら、、と少し不安になったのは、熟女の1年と若者の1年は時間軸が違うせい?笑
でも会ってなかったのが嘘みたいにこうくんは
いつものように助手席に座って近況報告。
元々細い子だけど、なんかさらに痩せた?
、、、そんな感じがした。
よくよく話を聞いてみたら就活は上手くいかなかったみたい。
体調も崩して入院したりもしたんだって。
あぁ、、だから春頃は全く連絡なかったし、繊細な子だからきっとメンタルが落ちてたんだな。
連絡が来たあの夏の終わりは、
すごく私に会いたかったのかもしれない。
こうくんは出会った時からなぜか私に懐いてくれて
〝aoiさんがいつも優しくしてくれるから、
僕もaoiさんには特別優しくするの”
そういう、なんか優しくて可愛げのある子なんだよね。
今時の若者だから楽しい事はありつつも、きっとうまくいかないストレスは色々溜めていて。
頑張らなきゃダメだって思いつつも身体も心もついて行かない。
みんながみんな、足並み揃えて同じように出来るわけじゃないのよね。
こうくんの以前より少し細くなった身体を摩りながら、そんなことを考えていた。
遮光カーテンに変えた部屋の中で、いつのまにか外が暗くなっている事に気づいたのは、
こうくんがタバコを吸いにベランダに出た時。
春みたいに暖かった昼間に比べて、夜はまだまだ寒い。
背中を丸めて戻ってきたこうくんに
「ねぇ、こうくん。この間お誕生日だったでしょ?バレンタインももうすぐだしケーキ買って来たの。どっちがいい?」
可愛いケーキが入った箱を開けてみた。
〝え、ほんとに?こっちがいい!”
と言ってこうくんが選んだのは
私が多分こっちが好きだろうなと思った方。
当たりだったね。
ケーキを食べさせ合いっこをしながら
美味しいねって笑って、すごく癒された。
そして意外な事にこうくんが
「aoiさんに絶対似合うと思って」
とバッグから取り出したのは
綺麗なガーターストッキング。
甘えん坊だけど、どこかクールなこうくんが
そんな事言うなんて可愛い過ぎるし
意外過ぎてその場で履いて事に及んだ。笑
若い男の子から、こういうのが似合うと思うって
プレゼントしてもらえるなんて嬉しいじゃない。
癒しと元気をいつもありがとうね。
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